Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

狼と香辛料VI

今日の本は「狼と香辛料VI」。

今回はコルという少年…学生? が登場します。若いので騙されるという役です。

騙される奴というのは、欲を掻くにしろなんにしろ、大抵は根が真面目なのだ。
(p.93)

というのがロレンスの評。

なにかうまい話を持ちかけられたらな、相手はどうやって儲けるのだろう、と考えることだ。あるいは、自分が得をする状況だけでなく、損をする状況のことを考えればいい。大抵の詐欺は、それだけで回避することができる
(p.125)

コルにロレンスがレクチャーして偉そうなことを言う場面。その割によく騙されていますよね、ロレンス。

世の中な、自分の身に悪いことは起きるが良いことは起きないと思ったほうがいい。
(p.126)

経験者は語る、という感じで説得力はあるようです。

このコル、いまいち要領もよくありません。他の学生の方がうまく金を稼いでいるのは、

そういう連中とお前がなにが違うかというと、努力の差だ
(p.170)

コルと他の学生の違いは努力の差というのです。キツい話ですが現実はそういうものです。どこの世界でも差は努力によって生まれるのですが、最近は地頭のせいにするのが流行しているようですね。

てな感じで今日の一言は、

一番大事なのは、まだ誰も思いついていないことを思いつくこと。『無知は罪』の知とは、知識ではなく知恵のことだ
(p.176)

しかし、誰も思いつかないようなことは、自分も思いつかないものなのです。


狼と香辛料VI
支倉 凍砂 著
文倉 十 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4048694476