Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

わが家は祇園の拝み屋さん2 涙と月と砂糖菓子

今日は先日紹介した本の続きで「わが家は祇園の拝み屋さん2 涙と月と砂糖菓子」です。

2巻は3つの章に分かれていて、第一章は小春が京都に転校することを決意して両親を説得する話。第二章は幽霊の事件。第三章は「人外のもん」が出るという噂から退治しようとして大変なことになる話、です。主人公の小春は精神的にだんだん成長していきます。

小春は他の人が考えていることが分かってしまう能力者。友達の言っていることと心の中で思っている妬み恨みが違い過ぎることに耐えられず不登校になってしまうのですが、今回は能力者の宗次朗にこんなことを言われます。

妬みも本心なら、表の言葉も嘘じゃねーよ。
(p.62)

心の中と表に出てくる言葉と、どちらが本当なのかというと確かに分かりません。論理的にいえば心の中が間違っていることもあるでしょう。両方間違っていることもありそうですが。

第三章には、霊感は「心技体」のバランスが取れることで抑制されている、という説が出てきます。だから体調が悪いときに幽霊が見えたりする、というのは何となく納得です。そのような説は他に記憶がないのですが、オリジナルなのでしょうか。

今回のよかった一言。

人が自分のことだけを考えて生きるのが傲慢であれば、自分をないがしろにし続けるのも、また、傲慢なのです。
(p.265)

竜神の若宮の言葉です。


わが家は祇園の拝み屋さん2 涙と月と砂糖菓子
望月 麻衣 著
角川文庫
ISBN: 978-4041038284