Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

狼と香辛料X

今日の本は「狼と香辛料X」。

ウィンフィール王国のブロンデル大修道院に狼の骨があるという噂を、ホロとロレンスが確かめに行くというストーリー。最後に大ピンチからのどんでん返しがありますが、そこの描写が殆どないというのが残念。アニメにしたら結構盛り上がりそうな場面なのですが。

例によって話とはあまり関係なさそうな所を、いくつか。今回の舞台は寒い島国なのですが、

北国の人間は皆口数が少なく、またその喋り方は口を大きく開けない
(p.85)

口を開けていると体が冷えてしまうのです。実際、津軽弁はできるだけ短い言葉を使うようになっているとか。

知らないことはわかり得ない、と学校で学びました。
(p.99)

知ってるのは知ってることだけなのです。しかしそんなこと学校で教えるのでしょうか。それに実際は、学校で教えることだって、かなり怪しいものが多いですけど。

今日の一言は、ロレンスがホロに言ったことがあるという言葉。

「物事の解決法にはいくつもの選択肢がある。だが、そのなにかを解決したあとも、俺たちは生きていかなければならない。だとしたら、俺たちが選ぶのは、最も簡単に解決できる方法よりも、そのあとに気分よく、心安らかに暮らせる解決法であるべきだと」
(p.243)


狼と香辛料X
支倉 凍砂 著
文倉 十 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4048675222