今日の本は「はたらく魔王さま!」の11巻です。
ストーリー的には恵美の父親のノルドが魔王城の下の階【謎】に引っ越してきて、恵美は前の職場を無断欠勤でクビになったのでマグロナルドのバイトを始める、という展開です。いろいろ背景の説明っぽいイベントはありますが、面倒なので紹介しません。
天使がボコられるというストーリーはキリスト教の国だとあり得ないような話のような気もしますが、天使が悪役的な立ち位置になれる小説って日本ならではなのでしょうか。宗教が絡んでくると基本的にヤバいです。とはいえ、次の疑問はあるあるかと。
『汝の隣人を愛せ』という子供すら知る一文と、教会の歴史は大いに矛盾している
(p.66)
一応、地球ではなくエンテ・イスラという異世界の話なのですが、ここの「隣人」には魔族は含まれていないという単純な話のような気がしますね。あるいは嫌なら隣人だと思わなければいい的な。
ヒッキー漆原の次の主張は面白いです。
ニートとか引きこもりっていうのは、常に外向きの自由が保障されている中で、敢えて内にいることを選んだだけなんだよ。外に出る選択肢そのものは、常に心のどこかにあるんだ
(pp.268-269)
引きこもりに関しては、必ずしもそうでもないような気はしますが。こういうことをいうから天使がボコられる話になるのかもしません。しかし漆原は天使じゃなくて堕天使か。
最後に恒例の、奥深いと思った一言。
無理矢理自然の姿を歪めても、いつか揺り戻しがやってくる。
(p.124)