今回はエーブが出てきます。この人が出てくると大抵話がややこしくなりますが、一歩間違えると戦争という危機的な状況を回避するのが今回コルに与えられた無茶振りです。そもそも薄明の枢機卿という二つ名をもらったコルがトラブルの元凶で、だからオマエが何とかしろという理屈のようですが、
そして、そういうわかりやすさを目印にして、世の中には大きな流れが出来上がっていく。
(p.76)
要するにカリスマが出現したということで、勝手に神輿に乗せられたわけですね。
てな感じで、今回の興味を持った箇所をいくつか。
人の見た目というのは大事なことだ。
(p.126)
第一印象で対応が決まるというのは、ありがちです。先の表現はコルが格式ばった服を着て、肩に鷲を乗せて歩いているシーンに出てきます。普段はボロい服でも立派な服を着ていれば貴族と認識してもらえると。
唐突に全然関係ない話ですが、
私の母は、美しい金の翼を持つ黄金鷲だ
(p.142)
ちなみにフィンローダというのは黄金の翼という意味だそうです。
そして、ナイフを持つことを正当化する話。
それがないと旅はできないが、人を殺すこともできる。要は使い方だが、ろくでもない使い方をする奴らがいるからといって、ナイフをこの世からなくすべきだとは言わないだろう?
(p.214)
同じ理由で銃の所持が正当化されている国があるようです。まあでも銃を所持できない国であっても、銃をなくそうという人はいませんね。核兵器はどうなんでしょうか。
さて、コルはミューリにいわせれば愚直でそこがいいそうですが、今回の最後はコレで。
愚直ゆえにできることがあり、信じてもらえることがある。
(p.234)
愚直だからこいつはそんなことしないだろう、という先入観があるのです。