Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

狼と香辛料XX Spring LogIII

今日の本は「狼と香辛料XX Spring LogIII」。

5つの短編が入っています。

「狼と春の落とし物」は、傭兵団の隊長のルワードが困ったことになる話。「狼と白い猟犬」は狼と香辛料亭に教皇庁から調査の聖職者がやってくる話。この話はミューリとコルがまだ湯屋にいる時の話です。

「狼と飴色の日常」はホロの日記の話。「狼と青色の夢」は死体が見つかって騒ぎになる話。「狼と収穫の秋」は湯屋に珍客が大勢来る話です。おおむねほんわかした感じの話です。

今回の本編とは関係ない話をいくつか。

小麦のパンに慣れた客は、燕麦のパンや粥など、絶対に口にしないだろう。
(p.73)

知らなかったら平和だったのに、というような含みもあるかもしれませんね。昔のテレビ放送からハイビジョンになった時はビックリしましたが、それに慣れてしまったら普通の感覚になってしまう。でも4Kを見たら驚く。それにもすぐ慣れるわけです。ただ、高画質に慣れていても、YouTubeの低画質の動画は案外平気で見られるものです。

体が冷えてからのほうが、湯に飛び込んだ時の喜びが大きい
(p.76)

感覚というのは相対的なものなので、苦しい状態から心地よい状態に遷移した方が喜びも倍増するというものです。

聖典にも、大地には塩気が必要だと書かれています。
(p.80)

「あなたがたは、地の塩である。」(マタイによる福音書、5章13節)


狼と香辛料XX Spring LogIII
支倉 凍砂 著
文倉 十 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4048936194