Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

狼と香辛料 (18) Spring Log

今日の本は「狼と香辛料 (18) Spring Log」。

4つの短編が収録されています。1つ目の作品「旅の余白」は、ホロとロレンスと一緒に旅をしてきたコルがまた旅に出た直後の話。コルに一人娘のミューりが付いていってしまいます。駆け落ちではないというのですが、さてさて。

行商の旅を続け、一月と同じ場所にいなかった経験から、余計に村や町の人々の気持ちがくっきりと見えることがある。
(pp.58-59)

いつも一緒にいるよりも、離れた方が見えることもある、ということですね。

3つ目の作品「狼と泥まみれの送り狼」は、ちょっと長めの短編。ロレンスは「亡者の祭り」というお祭りで羊や豚を追いかけて素手で捕まえる役になります。ホロが眼力を使って獲物をビビらせるというチート技がさくれつ(笑)。祭りで老人たちが頑張るのを見てロレンスが感心しますが、

「我々は老い先短いですからな。もうあと何回も祭りに出られないと思えば、いくらでも頑張れますよ」
(p.198)

今更長生きしても仕方ない、それより今を楽しもう、というような考え方でしょうか。この後、大司教を騙すシーンが面白いのですが、ホロはともかくロレンスってたまに恐れを知らぬことをしますよね。


狼と香辛料 (18) Spring Log
支倉凍砂
文倉十 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4048923552