今日の本は「ようこそ実力至上主義の教室へ5」です。
今回は体育祭。定期的なイベントですが、ペナルティとか特別報酬があるのは特別試験とあまり変わりません。1、2位を取った生徒は定期試験の得点に加点してもらえるボーナスがあるので、体力自慢の生徒が頑張ります。須藤の見せ場的な回で、実際活躍しますが、キャラとしては、堀北と龍園のバトル色が濃いです。
この体育祭は、二人三脚など、複数の競技者がいないと成立しない競技に1人でも欠席すれば、そのグループは失格扱いとなります。
重要な会議の日に熱を出したからと言って簡単に休めるものではない。死に者狂いで平静を装うことも必要になる
(p.32)
まあそうなんですけど、現実的には薬で何とか誤魔化すというのが一番ありがちです。なお、体育祭はポイントを使って代役を立てることが可能で、何でもポイントで買えるこの高校らしい話です。
今回は悪役キャラの龍園がいろいろ策を立てて堀北が全部ハマっていくシナリオ。龍園のパターンは常軌を逸しているため、対応できません。
普通作戦や秘策を思いついた時、人は極力相手に悟られないようにするものだ。
(p.86)
龍園の行動パターンはそれすらしていない、という話です。あまりにもあからさまだと、かえって信用されない、という性質を利用しているのでしょうか。
無人島サバイバルでは完全にやられた龍園ですが、今回は堀北もどこか抜けているところがあるので、なかなかいいバトルになります。堀北は個人能力は高いのですが、集団行動が苦手。二人三脚もうまく走れない。それを見た綾小路は、チームプレイの重要なポイントを堀北に説教しています。
大切なことは相手を見ること。相手に主導権を与えることなんじゃないのか?
(p.103)
綾小路は相手に主導権を与えて実は踊らせてしまう、というトリッキーな技が得意です。超人的な洞察力がそれを可能にしているのですが、そういえば、高校生の平均握力はどうよと須藤に聞いて、言われたことを綾小路が真に受けるシーンがあります。これがデタラメだったので変なことになりますが、
あいつがそんなことをいちいち知っているはずもないか。
(p.77)
なぜそれを実行前に推測しないのか、わけがわかりません。こいつは洞察力があるのだかないのだか…
今日の一言は堀北の言葉。
自分が小さい人間だと言える人間は小さくない。
(p.18)
ようこそ実力至上主義の教室へ5
衣笠彰梧 著
トモセ シュンサク イラスト
MF文庫J
ISBN: 978-4040690179