Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

わが家は祇園の拝み屋さん4 椿の花が落ちるころ

今日は「わが家は祇園の拝み屋さん」の4巻です。

4巻のストーリーはバレンタインチョコの話と謎の祓い屋の話が並行して、さらに小春の前世の記憶、斎王の話がオーバーラップしていきます。ということで【なにが】、本編の流れはスルーして途中興味深いと思った所ですが、まず、転生という世界観について。

人が死んで生まれ変わるというのは日本では一般的な信仰ですが、次は神様の若宮くんの言葉。

人が生まれ変わるのは、前世で果たせなかった課題、つまり因果や業を浄化させるためです。
(p.65)

明確な理由が出てくるのが面白いです。現実の社会で「前世で悪いことをしたから〇〇に生まれた」みたいな言い方をすると、差別的だといって批判されるようですが。

大学入試が辛いので死にたいという投稿がたくさんあります。私の世代から考えると信じられないかもしれませんが、本当に多いです。もしかしたら、そういう人達は、前世で入試に失敗しているのかもしれません。第一志望に合格するまで因果は続くのです。

未来も大事だよね、という質問に対しては。

いいえ、「今」がすべてなのです。過去に囚われるのはもちろん、未来にばかり意識を向けて、不安になったり杞憂したりも、愚かなことなのです。
(p.67)

未来は今が続いた先にあるという考え方なのですが、今を良く生きることで未来も良くなるというのは禅的な発想ですね。日日是好日

話は変わって、おみくじは自分のお金でないとダメという話が。

お金を払うことは、厄を祓うことと同じなんよ。そやから、自分のお金じゃないと自分の厄は祓へえん。ほんで、自分の厄を祓ってから神様のお言葉を賜る方がええねん
(p.190)

つまり、お金は厄だってことですね。


わが家は祇園の拝み屋さん4 椿の花が落ちるころ
望月 麻衣 著
角川文庫
ISBN: 978-4041049839