Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

新・学生時代に何を学ぶべきか (7)

今日は引き続き「新・学生時代に何を学ぶべきか」から紹介します。

まず嶌信彦さん。

硬派学生を意識してすごした学生時代に得たものは、煎じつめると、物事を考える〝方法論〟を学んだことにつきるように思う。事態の本質をみる力や生き方の原則、バランス感覚の重要さ、そして友人との助けあいなどだ。
(嶌信彦学生運動、新聞、中国……」、p.157)

硬派というのは現存しているのでしょうか。学生運動というのも絶滅危惧種的な感じがしますが、嶌さんの場合、講義で学んだことではなく、それ以外のことが実っているという点が面白いです。

私自身振り返ってみても、学科の講義とは無関係のサークルで議論したことが意識を激変させたような記憶があります。インターネットがあるから大学は必要ないという意見もありますが、この種の学生のガチ討論みたいなのは動画を観ただけでは体験できません。Zoom とか使えばいいのかも。

次は吉田夏彦さん。

学生時代をどのように過ごすかは、それぞれが自分で決めればよいことで、他人が口を出すことではないであろう。
(吉田夏彦「あの頃」、p.161)

この本でソレはアリなのでしょうか。哲学者らしい主張ではありますが。ていうか正論には違いないですが。

次は永井伸和さん。

「君がどこに座るかが問題ではなく、そこに座って何を考えるかが問題だよ」
(永井伸和「ほんとの出会い」、p.169)

この言葉は早稲田法学部の哲学、川原栄峯先生に言われたそうです。学歴ではなく、それで何を得たのかが重要だ、というのは当然なのですが、他者から頭の中は見ることができないので、なかなか難しい。

情報の受信者から発信者へ、さらに情報の編集者になれる時代がきたのではないだろうか。
(p.170)

これはインターネットのことなのですが、既にそんな時代に突入していますね。誰でも誹謗中傷、侮辱ができる時代になってしまいました。侮辱罪が厳罰化されているので、気を付けないとヤバいです。

今日の最後はタケカワユキヒデさん。ガンダーラを作曲した人です。ガンダーラって今の若い人は知らないと思いますが、ハコネーゼのCMのメロディといえば分かるはずです。

この先、世の中に出た時には、間違いなく、何を言っているのかわからない大人たちに、たくさん出会う。
(タケカワ ユキヒデ「大学で感じる疎外感の正体とは?」、p.175)

私なんか、自分がちょっと何言ってるかもよくわかりません。

(つづく)


新・学生時代に何を学ぶべきか
講談社 編集
ISBN: 978-4062089722