Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

狼と香辛料V

今日の本は「狼と香辛料V」。

今回もロレンスはこっぴどく裏切られます。今回はしかも騙された相手に逃げられてしまいます。

危ない橋を渡るのは、一度でいい
(p.344)

といいますが、ロレンス、結構たくさん渡ってますよね。

この巻は教訓的なセリフが結構出てきます。いくつか紹介してみます。

方法を知る者が職を得て、彼の働く理由を知る者が雇い主になる
(p.47)

うまいこと言いますね。スキルを持っている人にスポンサーが付く、という構図です。雇い主は金だけ出してくれたらいいのですが、大抵は余計な口を出してきます。

年月は石の建物ですら風化させる。いわんや人の記憶など。
(p.58)

誰も覚えていない知識が書物の中だけに残っている、という状況にアロルドがつぶやいた言葉です。アロルドというのはホロとロレンスが泊っている宿の主人です。いろんな人生を見てきたのでしょう。

運命には逆らうのが人の常かと思います。過ちを犯したのちに、償いを求めて祈るように
(p.107)

誰かの思い通りに踊らされてしまうのはシャクですからね。

代々裕福な家系は金を使うことそのものには喜びを見出さないが、成金は違う。
(p.123)

金持ちは金を使わないというのです。何となく分かります。金を使うのは当たり前のことなのです。

持たざる者は幸いであると神も言っている。あんた、黒パンとぼろぼろの銅貨二枚を拾って腹の底がふわふわするほど喜べるか?
(p.205)

この男はそれで喜べると言っているのです。ポイント5倍でウキウキする人間なので、気持ちはよく分かる気がします。今日はうっかり97円のカップ麺を2個買ってしまって1ポイントも付きませんでしたが。


狼と香辛料V
支倉 凍砂 著
電撃文庫
ISBN: 978-4048694391