Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

ヘヴィーオブジェクト 第三世代への道

今日の本はヘヴィーオブジェクトのシリーズから「第三世代への道」。

第三世代というのはもちろん、お笑いのこと…ではなくオブジェクトの新しいタイプということです。内表紙のところに「死の祭典」と書いてあるのはちょっと気になるけど、初版のミスかな。

今回のメインキャストはいつもに戻ってヘイヴィアとクウェンサーの二人です。前回大幅にやらかしたので左遷じゃないけど僻地の無理ゲーっぽいステージまで飛ばされています。第一章「天国に一番近い戦争ブローカー」は変態、いや、天才を隔離した施設でよからぬ企みが進行しているのを阻止するミッション…だったかな? 最終的にはそういうことになります。

ゲストで際立っているのはクレアという少しキレている女科学者とユニコーンユニコーンというのは戦闘集団ですが、何でこういうネーミングなのかというと、お姫様の親衛隊だからですかね?

あらゆる権力にも財宝にも興味を示さず、ただ清浄なる乙女を守護する獣なり
(p.238)

要するに結局変態ってことですね。

とある小隊が食堂でディナーを食べている件について。ヘイヴィアとクウェンサーはいつもクソまずいレーションを食べているようですが、食事というのは案外重要なイベントです。

メシ時ってのはいろんなデータが飛び交う。世間話って形でな
(p.57)

そういえば大臣とか知事とかの会食がよく問題になっていますが、ニュースのコメ欄の批判はコロナで密を避けろとか宴会するなとか言っておきながら自分達は会食している…みたいなレベルの浅はかな文句ばかりですね。政治家の会食というのは宴会ではなく情報収集の仕事みたいなものであって、国のトップがゴルフをするのは遊ぶのではなくて盗聴されずに会話できる場でカードを見せ合うのが目的なわけで。

そういえば、喫煙所がある会社で仕事をしていた時は、わざわざ喫煙所に行って缶コーヒーを飲んだりしたものです。喫煙所にはなぜか自販機が置いてあるのです。私は喫煙しないのですが、もちろん目的は缶コーヒーではなく情報収集です。サラリーマンなら常識ですよね。

てな感じで今日の一言。

余裕があるっていうのは良い事だ。失敗しても次があるって保障があるから冒険できる。
(p.52)


ヘヴィーオブジェクト 第三世代への道
鎌池 和馬 著
凪良 イラスト
電撃文庫 か 12-35
ISBN: 978-4048866248