昨日紹介した「諸葛孔明」で、ひとつ紹介し忘れたのがありました。五斗米道の話なのですが、
入信した信徒は罪を懺悔することで病から救われ、なおよくならないときは懺悔が足りないものとされた。
(諸葛孔明―三国志の英雄たち、立間 祥介 著、岩波新書、p.8)
それってどう見ても詐欺ですよね。もっとも、宗教アルアルのような気もしますけど。
さて、昨日は林先生の話も紹介しましたが、その元ネタは「受験必要論」です。
自分が一番近いのは諸葛亮孔明ではないか
(p.077)
なんて書いているんですよね。凄い人を出しますよね。余談はさておき、この本で特に印象に残っているのは、大学選びが人生を左右するという話。
どの大学に入るかによって、会う人間が変わってきます。
それに伴って、考え方の基準が変わります
(p.012)
会う人によって自分を変えることができる、という話です。そして人脈も重要です。だからホリエモンは大学を中退して大企業を作ることができました。
もう一つ好きなエピソードが、コレ。
東進に東大理Ⅲに非常に優秀な成績で受かった学生スタッフがいるんですが、その彼に『大学受験の数学、いつ終わった?』と聞いたら『中2』だと言うんです。そうしたらそれを聞いていた周りのスタッフがこう続けました。『すげえな、普通、中3だぜ』と。
(p.029)
普通は高3でしょ、という話なんですが、東大を狙う最上位の受験校では高3になる前に高校の全範囲を終わらせてしまう、というのが有名な話です。実際は科目によっては高3にずれ込むそうですが、「普通、中3」というのは常軌を逸していますね。あながち冗談でもなさそうなのが理3という世界なのですが。
林先生は浪人反対派といわれていますが、その理由が、
社会に出るのが1年遅れるということは、人生の働き盛りの1年や、キャリア最後の重要な1年を削ることになるんです。受験生はそれが見えないんです。
(p.057)
最後の1年分の年収に、さらに浪人するのに必要な予備校代とか足すと、1千万円弱になる。しかも社会に出ている時間が1年短くなる。そのあたりの駆け引きですね。もっとも、浪人のメリットとしては、優秀なのに本番で落ちてしまった人の例を紹介して、
一度ブッ叩かれたことで、その後の人生に真剣に向き合うようになった、そういうことなんだと思います。
(p.085)
と指摘しています。挫折したことのない人は弱いという説もありますが。
林先生の勉強法は読書だそうです。
好きな本を、ただひたすら読んでいました。
(p.097)
東大で多読といえば東大王の水上さんがそうでしたが、やはり猛烈に本を読むというのが学力upへのヒントのようです。ただ、
中学の3年間は、部活もろくにやらないで、とにかく自分の興味のあることの本を読んでました。
(p.106)
水上さんの場合は、興味がないのも読んでいたそうですから、そこがちょっと違うのでしょう。
受験必要論 人生の基礎は受験で作り得る
林 修 著
集英社
ISBN: 978-4087815368