Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

最高学府はバカだらけ

この本の「最高学府」は大学のことを意味しています。そして、ルリルリではなく著者の石渡さんという大学ライターが、大学にいるのはバカばっか、と暴露した本です。ちょっと違うか。

最近、知恵袋にこんな質問がありました。東京大学ハーバード大学に行くと○○議員さんみたいになるのか? あんな人だから東大やハーバードでやっていけるという回答もあって、なかなか含蓄深いような気もしますが、実際、東大に行くと全員同じような顔をして全員同じ思考パターンで性格が同じで同じ質問をしたら同じ返事が返ってくる、と思っている人は日本には大勢いそうな気がします。

実際は大学生は千差万別で、バカもいればアホもいる、違った、賢い人もいるわけですが、この人はバカの例を少しだけ紹介して、全員そうだと一般化しているわけです。文系の人なのでの違いは理解できないのかもしれません、と思ったら第四章では

どちらも一部の大学の例を一般化しようとしている。
(p.143)

とかいう話も出てくるからわけが分からないよ。まあいいですけど、紹介されているバカな例は分数の割り算ができないとかじゃなくて、ロビーで着替える人がいるとか、その場で履歴書やエントリーシートを書く人がいたとか。まあ確かにバカですよね。それは否定しません。私はそんなの見たこともないですが。

ちなみに、ロビーで着替えること自体が不可思議ですが、なぜ着替える必要があるのでしょう。本によれば、私服可の説明会と私服不可の選考があったときに、説明会は私服で行って選考はスーツで行くというのです。それで、私服可なら別にスーツ着て行ってもいいじゃん、着替えなくていいじゃん、とバカにしているわけです。これも確かにそりゃそうだ。同感です。ちなみに私は大学の入学式はジーンズで行って、講義に出るときはスーツ・ネクタイで出席したりしました。講義はスーツ禁止と言われた覚えはないので。他にはそんなヘンなのいませんでしたけど。

ちなみに、この本の例は東大か早慶の学生ということで、そりゃすごい。しかし、東大や早慶にいるのだから他の大学にもいるだろ、という論理もスゴいです。この論理で押し切っています。ちなみにロビーで着替えてはいけないとか、その場で履歴書を書いてはいけないというのは、皆さんはどこで学びました? もし教えてもらっていないのなら、知らないことができないのは当たり前なので、バカとかいう次元の話ではないような気がします。常識を知らない奴がいる、というのは否定はしませんが、それにしても一般化までしていいのかどうか。

もう一つ根本的に気になったのがインターネット。調べろといわれたらすぐネットで探す学生を批判しています。

ネットはたしかに便利な存在だし、調べるスピードも桁違いに早いが、限られた情報しか得られない。
(p.38)
これまで人類が積み上げてきた知的財産の一〇〇分の一もネット上には存在しないだろう。
(pp.38-39)

突っ込まれそうなので念のため確認しましたが、「早い」は間違いなく「早い」と書いてあります。もちろん数字の根拠など微塵も書いてないのですが、インターネットの歴史をみると、誕生が軍事利用という有名な話もありますが、その次に重要なのが web の誕生かな。web って何のために作られたか知ってます? www の発祥の地、CERN にこのような記述があります。

The web was originally conceived and developed to meet the demand for automatic information-sharing between scientists in universities and institutes around the world.
(The birth of the web | CERN)

要するに、WWW は大学の科学者達が情報を共有しようという目的で立ち上げたのです。 その目的もあって、実際、多くの論文がネットで参照できるようになっています。 だから、大学で調べろといわれたらまずネットで検索するというのは、個人的には当たり前の発想だと思ってしまうのですが、何かまずかったのでしょうか。ごめんなさい。 で、どこを調べるかというと図書館に行けというのですが、現状だとどうなんだろ。かなりの書籍が電子化されてきたようです。ただ、現実的にヘンな電子化する団体とかありますよね。本をスキャンしたイメージをPDFにして画像データのままでアゲてくれるからキーワード検索できない、みたいな。そういうのが本物のバカだろと思うのは私だけ?

Amazon のカスタマーレビューが酷評ばかりで面白いです。


最高学府はバカだらけ―全入時代の大学「崖っぷち」事情
石渡 嶺司 著
光文社新書
ISBN: 978-4334034191

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