Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

雑記

今日は「夫婦善哉」の後に収録されている短編を2つ読んだので雑記にします。

読んだのは「アド・バルーン」と「世相」です。どちらも大阪が舞台になっています。ちょっと分からないのが、個人的には大阪生まれ大阪育ちなので土地勘もあるし、読んでいてリアルな光景が目に浮かぶのですが、大阪を知らない人が読んだ時にどんな感じになるのでしょう。特に「アド・バルーン」は地名が猛烈に出てきます。

「アド・バルーン」の登場人物は何をやっても長続きしない、どうしようもない主人公。63銭しか持っていない状態で大阪から東京まで歩いて行く、という滅茶苦茶な冒険が面白いです。しかもすぐに帰されてしまう(笑)。

「世相」は作家が主人公で、途中に作品の構想が出てきて短編が組み込まれた構成になるという面白い作品です。ネタとして阿部定事件が出てくるあたりはエグいですけど。