Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

東大理III スピード読書術-超一級の思考力 情報処理力を身につける

今日の本は「東大理III スピード読書術」。

速読の本です。速読といえば、どうやって文字列を高速処理していくか、単語ごとに認識したり、フレーズや行ごとに読むにはどうするか、のような話になるのが普通ですが、この本はそうじゃなくて要点だけ読む、という方法で速読します。

要点だけ読めば全部読むよりも短時間で済みます。当たり前ですよね。

といわれても、全部読まないでどうやって要点だと判断できるの、という疑問が出てくるのですが、そこを論理的に攻略しようというのがこの本。流石は東大理Ⅲです。

ちなみに東大理Ⅲというと天才でないと行けないとか、いや宇宙人じゃないと無理とか言われていますが、

ここで僕が強調したいのは、(略) 外の人から見ると一見天才にしか見えない彼ら彼女らが、実はものすごい努力家であるという点なのです。その努力は効率的で無駄がなく、ものすごく質が高い。
(p.5)

ネットでは、頭の良さは才能とか地頭とかで決まるもので、努力しても届かないと主張する人が圧倒的に多いのですが、トップの人達にいわせるとなぜか全員「努力だ」と主張します。

ただ、東大生の手記とか読むとよく出てくるのが、

東大の友人を見ていると、馴染みのない専門書を読むのが得意な人ほど、ものごとを抽象的に考えるのに長けていると感じます。
(p.116)

このような抽象的思考です。あるいはメタ思考です。数学では解法暗記という勉強法が有名ですが、丸暗記するではなく、上位の概念を覚えて現場で応用して使うことで、暗記する内容を減らし、適用範囲を広げるという手法です。これは訓練や努力で身に付くのか、それとも何か素質みたいなものが影響するのか、というのがちょっと気になります。

国語の勉強法ネタは、成程と思いました。

自分で傍線を引いて問題を作るという勉強法
(p.149)

国語の問題でよくあるのが、文章の一部に線が引いてあって、その意味は何とか答えさせるパターンですが、その線を自分で引いて問題を作り、自問自答するのです。国語の問題の解き方として、出題者が何を求めているかを考えるというのが基本技ですが、自分で出題者のシミュレーションをするわけです。

今日の一言は。

気に入った理論や考え方があると、読書ノートにメモする
(p.191)

私の場合、ここに書くためのネタ集めのために、殆ど同じようなことをしているようです。


東大理III スピード読書術-超一級の思考力 情報処理力を身につける
佐々木 京聖 著
学研プラス
ISBN: 978-4054068179