Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

非進学校出身東大生が高校時代にしてたこと

今日は「非進学校出身東大生が高校時代にしてたこと」。東大生の受験体験記を集めた本です。

東京大学には UTFR (University of Tokyo Frontier Runners) というサークルがあります。参加条件は、

東大在学中の高校の先輩が一人もおらず、旧帝大合格者が10名未満の高校
(p.2)

の出身者。ドラゴン桜のように、東大に合格したら学校が大騒ぎになるような、東大合格者ランキングには出てこない高校の出身者に限るサークルなのです。そのような高校から東大に進学しようとすると、常連高とは違った特別な問題がいろいろ発生します。例えば、高校の授業レベルが低くて受験に対応できない。そこで授業中に内職、つまり授業と関係ない勉強をするわけですが、

学校の授業での内職は、勝手にやっていたわけではありません。先生に断りを入れた上でのことです。
(p.142)

ちゃんと先生の了承の上でやるというのです。先生としても、勝手に勉強させておいた方が楽なのかもしれませんが、学校によっては、ドラゴン桜のように、先生方が全力でサポートすることもあるようです。

数学は、先生と机を並べて座り、同時に問題を解き始め、解き終わるとお互いに答え合わせをし、正解した方が黒板で解説をする。どちらも解けなかった場合は、「なんだこれ?」と言いながら一緒に解説を読んでいく。その時間がすごく楽しかったです。
(p.66)

マンツーマン授業なのですね。先生も解けないような問題を解くというのも凄いですが、楽しかったというのがやはり凄いです。

東大に入ってからもビックリがあるようです。

東大に合格したことを当たり前だと思い、大学生活をただ漫然と過ごしている人が多い
(p.28)

かと思えば、

「いつか学校を建てたい」と話すと、海外に学校を建てるプロジェクトに参加したことがあるからとアドバイスをくれたり、「国際機関で働きたい」と言えば、知り合いが働いているから紹介するよと言ってくれたり、そんな人がたくさんいます。
(p.51)

といったこともあります。東大生というと、テレビに出てくる東大生でイメージしている人もいるようですが、

実際は普通の大学生で、普通の人たちばかり、居心地がよく、楽しいです。
(pp.132-133)

この本に出てくるのは11名。共通しているのは、もちろん勉強量も凄いのですが、勉強方法です。

問題の一般化・抽象化をするようにした
(p.126)

このような、解法の発見。機械的に暗記するような勉強ではなく、考えようとする、理解しようとする姿勢が見られます。また、計画を立てて実行し、失敗したときに修正していく柔軟性があるようです。

「東大に合格できる、できないの差はどこにあるのか」。
重要なのは出身校の差ではなく、学ぶ上でどこまで到達できたかということではないでしょうか。
(p.233)

11名がそれぞれ「私の東大合格勉強法」として、1~3ページ使って、どのような勉強をしたかを紹介しています。ノートの写真(読めませんが)や、使った参考書などが出ていて、本気で東大を狙っている人なら参考になるかもしれません。勉強のポイントや、コツのような内容もあります。


進学校出身東大生が高校時代にしてたこと
太田 あや 著
UTFR 監修
小学館
ISBN: 978-4093887557