Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

バカの壁

これ、読んでいると書いてまだ紹介してなかったですよね、バカの壁。有名な本だから読んだ方も多いのではないでしょうか。いろんなネタが雑多に出てくるので、いつの間にか何がバカなのか壁なのかさっぱり分からなくなってしまいそうですが、そのバカの壁とは一体何かというと、簡単にいえばバカとそうでない状態を隔てる分水嶺のことのようです。

年末でとても忙しいので、少し書いてあった内容を、何回かに分けて紹介していきたいと思います。

壁については、例えば次のような表現があります。

つまり、自分が知りたくないことについては自主的に情報を遮断してしまっている。ここに壁が存在しています。これも一種の「バカの壁」です。
(p.14)

「一種」と限定しているから、他にもいろんな壁があるのでしょう。ネットを見ていると、次のことは分かっていない人がかなり多いと思われます。

物事は言葉で説明してわかることばかりではない。
(p.16)

説明しても分からない相手に説明するのはかなり不毛でしょう。なのに、話せば分かると勘違いして一所懸命説明してくる人がいます。一所懸命なのはまだいい方で、そんなの分かって当たり前だから説明しないなんて事もあります。誰だって自分のことを考えれば、「何でも分かるというものではない」のはとても当たり前のことだと思うのです。

非合理的な思い込みの実例としては私が個人的に好きなのは地球温暖化と携帯電話によるペースメーカー誤動作なのですが、この本は地球温暖化の話題が紹介されています。

例えば、最近では地球温暖化の原因は炭酸ガスの増加だ、というのがあたかも「科学的事実」であるかのように言われています。この説を科学者はもちろん、官公庁も既に確定した事実のようにして、議論を進めている。ところが、これは単に一つの説に過ぎない。
(p.23)

だから合理的判断のできるトランプ氏は、二酸化炭素削減など意味がないといって切り捨てたのです。温暖化教の信者たちがこれに猛反発。←いまココ

とはいえ、

別に「全てが不確かだ。だから何も信じるな」と言っているわけではないのです。温暖化の理由が炭酸ガスである可能性は高い、と考えていてよい。
(p.28)

それじゃあ言ってることが温暖化教の信者と変わらないような気がします。

可能性が高いという位だから、私の知らない科学的合理的根拠をご存知なのかもしれません。残念ながら私の知っている主張は、どれも「温暖化のせいで炭酸ガス濃度が高くなった」と解釈しても矛盾はないし、むしろより自然だと思われるようなものばかりなのです。

(つづく)


バカの壁
養老 孟司 著
新潮新書
ISBN: 978-4106100031