今日は、しゃばけシリーズの3作目、「ねこのばば」。ネコババって言いますな。この文庫本には、5つの短編が入っている。
「茶巾たまご」は犯人の言い訳が面白い。何故殺したかと問い詰めると必要だから殺したというのだが、じゃあ他人がお前を殺そうとしてもいいのかというと嫌だという。
己が殺す分には、止める理由が分からない。人に殺されるのは、御免こうむる。
(p.55)
対称性はないが、一応理屈としては成立するのかな。自分ファースト的な。
「花かんざし」は、迷子の5歳の女の子「於りん」の話。
選びたくない道しか目の前に無いとき、人はどちらを向いて、足を踏み出すんだろうか……
(p.117)
これは結構な難問だろう。どちらも選ばないで逃げる人が多いような気もする。
「産土」は金の欲はよくない、という話。
いざ金子を前にすると、人は驚くほど簡単に惑わされる。
(p.213)
地獄のサタンも金次第といいますからね。
ねこのばば
畠中 恵 著
新潮文庫
ISBN: 978-4101461236