Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

カレーの世界史

今日紹介する本は、「カレーの世界史」。

著者の井上岳久さんは、カレー総合研究所代表取締役です。世界史とタイトルに付けるだけあって、いつどのようなカレーができた、広まったというような分析が満載です。ちなみに、カレーがいつ誕生したかは定かではないのですが、

9世紀にはカレーに近い食べ物が存在していた
(p.29)

という説が紹介されています。これは、当時の文献に、カレーと同じスパイスを使った料理が出ていたからだそうです。

また、イギリスのヴィクトリア女王(在位1837~1901)は、

インドのカレーがお気に入りで王室の厨房で調理させていた
(p.84)

といいます。

本文はコラム形式で、とても読みやすくなっています。新書というより、蘊蓄本として気軽に読める本です。

 

カレーの世界史
井上岳久
SBビジュアル新書
ISBN: 978-4815601409

屍姫

今日はミステリーを少し読んでいたのですが、もう少しというところで中断しているので、アニメを紹介します。屍姫。2008年10月~2009年3月に放映されました。

このアニメは一気に観るよりは毎週1回で観た方が疲れないで済むような気がしますが、一気に観てしまいました。最終話の26話はテレビでは未放映らしいです。この話だけショートストーリーのような形式になっています。

死んだ時に強い未練があると死体となっても動く「屍」になる、という世界。その「屍」を倒すことができる「屍姫」が契約僧とともに「屍」を倒していく、というストーリーです。

日本だと死んで幽霊になる、というシナリオの方が一般的で、幽霊になると触ることができないので、殴ってもすり抜けてしまい、バトルになりません。本作のように銃で撃っても死にません。ていうか既に死んでいます。そこで、西洋のゾンビのように、死んでも動ける肉体を持つ、という設定が必要になるわけです。

既に死んでいるので食事の必要はないのですが、食べないと腹は減る、というのも面白い設定ですが(シャナもそうでしたっけ?)、特に注目したいのは、屍姫が108の屍を倒したら天国に行ける、という設定です。108という数字には仏教における煩悩的なイメージなのかもしれませんが、なぜそれで天国に行けるかという合理的(?)説明はありません。

主人公、ヒロインとなる屍姫はマキナ。その契約僧は景世ですが、後にオーリと契約することになります。全篇の主役となっているキャラはオーリで、見方を変えれば、この話はオーリの成長物語です。オーリは幼少時から寺と関わって育ったせいか、死体を怖がらないので、屍姫と最初に出会ったときも心臓が止まっているのに体が動いているというあり得ない状況で怖がりません。新興宗教に誘われた時も、俗っぽいと一蹴しています。では悟っているのかというと、普段の行動は案外俗っぽいし、達観もしていない中途半端なキャラなので、観ていて共感できるのかもしれません。

 

ツインスター・サイクロン・ランナウェイ

今日は「ツインスター・サイクロン・ランナウェイ」。ジャンルは百合SFでいいのでしょうか。

あらすじとか滅茶苦茶説明が難しいのですが、ガス惑星で宇宙船を使って網を投げて宇宙の魚を取りまくる女性二人組の漁師の話です。これでは何の話か分かりませんよね。

背景として女性蔑視の世界が描かれています。日本では子供にアクセス制限をかけるのが当たり前のようですが、女性にアクセス制限をかける話が出て来て、

「女に精選されてない雑多な知識を与えると馬鹿で淫らになるからだそうですよ」
(p.206)

よく分からない話だというのなら、青少年に云々でアクセス制限をかける根拠を再考して欲しいものです。

宇宙船に乗るのはテラとダイオード。二人とも女性です。テラはデコンパ、網を投げる係で、ダイオードはツイスタ、操船係です。どちらも凄腕なのですが、船に乗るのは男女のペアというのがルールなので一波乱あるわけです。大物を捕獲するシーンは結構スリリングですが、脳内でイメージにするのがなかなか難しいです。

あと、あまりソチラ【謎】のシーンを期待してしまうと、期待外れになるかもです。

 

ツインスター・サイクロン・ランナウェイ
小川 一水 著
望月 けい イラスト
ハヤカワ文庫JA
ISBN: 978-4150314217

劇場版 幼女戦記

今日は「幼女戦記」の劇場版を観ました。ストーリーとしてはTVアニメの続きになっています。戦況は泥沼の世界大戦に突入しつつあります。

劇場版で注目すべきキャラは合衆国からの義勇兵として参戦しているメアリー。父親が帝国軍との戦いで戦死したので、猛烈な復讐心を持っています。メアリーは主人公のターニャを超える魔力を持っていますが、上官には「無能な働き者」と酷評されます。コントロールできない力を持っているというのは確かに厄介なものです。

ターニャとの最初の空戦では、ターニャが投げた短機関銃がメアリーの腹に直撃して落下します。メアリーはこの時に、銃に刻まれたイニシャルを見て、それが父に贈った銃であることを知り、ターニャが仇であることも認識するのです。

このストーリーはターニャが豊富な経験と知識で最適戦略を選択し、予想をことごとく的中させるにも関わらず、結果が想定外、「どうしてこうなった~」と叫ぶシーンが満載なのですが、ターニャの生きている世界を操っている存在Xが悪魔のようなものなので、想定していない結果になるのはむしろ必然。そもそもターニャが転生した理由が、苦境を与えて信仰心を持たせるというものなので、楽に生きるという方向を向いているターニャの想定外になるのは当たり前の結末に過ぎません。

メインテーマはもちろん戦争のはずですが、自由のために戦争するという現代社会の抱えている矛盾がそのまま反映されています。政治家と軍部との軋轢、情報操作されて踊らされる無能な民衆、すべてリアルと同じ構図です。その中で最も武力行使するターニャも戦争を単なる手段とみなしつつ目的であるかのような戦いっぷりを見せています。戦場に立てば殺さないと殺されますから、そこに逃げ場はありません。なぜそのような状況になったか、盲目的に戦争を「してはいけないコト」のような評価をするのではなく、なぜ戦争を「しなければならない」のか、そこに視点を持って観るべきアニメではないかと思います。

幼女戦記

今日はアニメで「幼女戦記」を観ていました。Amazon から探して並べるのも面倒なので、1巻だけ適当に並べておきます。

原作はラノベで、作者はカルロ・ゼンさん。アニメ化されているのは最初の部分、共和国との戦争で帝国の勝利となった後、南方で残存兵が終結するあたりまで。

ストーリーはサラリーマンが転生してターニャという少女の魔導士となり戦争するというもの。大人の記憶を持ったまま転生したので、コナンじゃないけど幼女の体にサラリーマンの頭脳、これを戦略に活かすわけです。魔導士は空を飛べるという設定で、それだけなら魔法少女みたいなものですが、この話では戦闘シーンは空中戦闘や魔法を除けばガチの戦争モノになっています。私はそこまでマニアではないので、武器や兵器がリアルなのかどうかいまいちわかりませんが。

ストーリーの背景となっている謎の存在Xというのが、神か悪魔か分からない造物主的な立ち位置になっています。万能の神ならターニャのような言うことを聞かない人間が出てくるのは矛盾しますが、実際に聖書を読んでみると、神様の言うことを聞かない人間ばかりですから、案外それで合っているのでしょう。

ラノベを読んでないので、アニメでどの程度忠実なのかは分かりませんが、ターニャの表情の変化や戦闘シーンの動きはかなりのものです。アニメならではの面白いところは、声。第5話で、攻撃の警告を行うときにターニャが子供の声で「軍事施設を攻撃します」と警告して敵に冗談だと思わせるシーンの声色の変化はなかなかのモノです。

キャラでは、キツい性格のターニャの副官としてコンビを組んでいるヴィーシャが、ぼーっとしているようで案外鋭くて、いい味を出していると思います。

 

イエスタデイをうたって・プランダラ

今日は今期のアニメから紹介します。まず「イエスタデイをうたって」。原作はビジネスジャンプグランドジャンプで連載されたマンガで、作者は冬目景さん。

イエスタデイをうたって、公式サイト

ストーリーはドラマ系の三角関係で、今時こんなのがあるのか、と感動してしまう位、何も先に進みません。6月21日に最終回 scene 12 が放映されましたが、個人的にはこのオチでいいのだろうかと少しモヤっとしました。もっとも、主人公のリクオは最初から最後まで割と一貫して優柔不断なので、そこはリアルな感じがあります。

カラスと仲のいい少女というのは、何か魔女みたいでいい感じでした。

もう一作、「プランダラ」。これは今年1月から放送され、25日に第24話が放映されました。こちらは SFでバトル系。ていうか、お色気系ですか。原作のコミックの作者は水無月すうさん。

プランダラ公式サイト

何かをカウントしながら生活し、カウントが0になったらアビスという別世界に強制送還されます。カウントという概念自体は面白いのですが、カウントが1に減ったときの危機感というか、キャラがあまり慌てないのが不自然な気がしました。

個人的には第24話で元の世界に戻って来れる原理がさっぱり理解できませんでした。アニメだといわれたらそれまでですが。

あと今期アニメで観ているのは、かぐや様の2期ですが、これは感想とか書きにくいです。そのうちまとめて書く予定です。

 

NOIR

今日は25日ということでいろいろ忙しかったのですが、さらに歯医者の予約まで入れたらものだからさらに大変。もう少しで読み終わる本があるのですが近日中に紹介します。ということで、今日はアニメで「NOIR」。ノワール。2001年4~9月頃に放映されました。

ノワールとは何かというのは、本編の謎解きにもなっているので詳細は伏せておきますが、登場人物の霧香(キリカ)とミレイユ、この二人が最強のアサシン、暗殺者なのですが、裏社会で知られた名前がノワールということになっています。

アニメということで、霧香とミレイユが人間を撃てばだいたい急所に当たって死にます。敵が何十人いても、雑魚は全部死にます。時代劇の最強キャラみたいなものです。もちろん敵にもスゴいのがいるので、そういうのが相手なら簡単には当たりません。

敵キャラで強かったのがシャオリー。爪に毒を塗って、ターゲットを軽く引っ掻くだけで死に至らしめるという怖い女ですが、自分を引っ掻いて死んだりしないのでしょうか。香炉の毒でターゲットを殺すシーンでは、自分自身は耐性があるような話をしていましたが。毒に耐性のある毒娘というのは、忍者モノの時代劇でも定番の暗殺マシーンではあります。シャオリーはミレイユとのバトルで勝ちますが、ミレイユをあえて殺さずに霧香を誘き出すエサに使って、最終的に敗れます。

敵か味方か分からないクロエという少女も魅力的です。クロエがナイフを投げればだいたい当たります。どこにナイフを隠し持っているのか謎ですが。