Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

屍姫

今日はミステリーを少し読んでいたのですが、もう少しというところで中断しているので、アニメを紹介します。屍姫。2008年10月~2009年3月に放映されました。

このアニメは一気に観るよりは毎週1回で観た方が疲れないで済むような気がしますが、一気に観てしまいました。最終話の26話はテレビでは未放映らしいです。この話だけショートストーリーのような形式になっています。

死んだ時に強い未練があると死体となっても動く「屍」になる、という世界。その「屍」を倒すことができる「屍姫」が契約僧とともに「屍」を倒していく、というストーリーです。

日本だと死んで幽霊になる、というシナリオの方が一般的で、幽霊になると触ることができないので、殴ってもすり抜けてしまい、バトルになりません。本作のように銃で撃っても死にません。ていうか既に死んでいます。そこで、西洋のゾンビのように、死んでも動ける肉体を持つ、という設定が必要になるわけです。

既に死んでいるので食事の必要はないのですが、食べないと腹は減る、というのも面白い設定ですが(シャナもそうでしたっけ?)、特に注目したいのは、屍姫が108の屍を倒したら天国に行ける、という設定です。108という数字には仏教における煩悩的なイメージなのかもしれませんが、なぜそれで天国に行けるかという合理的(?)説明はありません。

主人公、ヒロインとなる屍姫はマキナ。その契約僧は景世ですが、後にオーリと契約することになります。全篇の主役となっているキャラはオーリで、見方を変えれば、この話はオーリの成長物語です。オーリは幼少時から寺と関わって育ったせいか、死体を怖がらないので、屍姫と最初に出会ったときも心臓が止まっているのに体が動いているというあり得ない状況で怖がりません。新興宗教に誘われた時も、俗っぽいと一蹴しています。では悟っているのかというと、普段の行動は案外俗っぽいし、達観もしていない中途半端なキャラなので、観ていて共感できるのかもしれません。