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Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

家電の神様

主人公の轟雷太くんは大手家電店のビッグロード電器に2012年に入社した営業マン。しかし大赤字になってしまい、ランダムなくじに当たってリストラされてしまいます。ヒトゴトではありませんな。再就職は実家の母親が社長をしている地元密着型の電気屋さん。近くに進出してきたオオジマデンキというどこかで聞いたような名前の家電量販店の標的にされてしまう。秘策はあるのか。

みたいな感じだけど、シビアなビジネス小説でもなく、ラノベほど軽くもなく、ゆるふわって感じで安心して読める作品ですね。

一応、営業戦略的なネタは出てくるけど、

みんなががんばれる目標を設定するのは難しい。どうすればいいのか。これはお客様への本当のサービスとはなにかということにも繋がる。
(p.128)

顧客満足度の話っぽい。CS (customer satisfaction)です。細かいこといえば、CSは顧客満足で、顧客満足度とは厳密には違うけどね、しかしこの言葉は本には出てこなかったような気がするな。個人的にはこの程度のアドバイス当たり前すぎて面白くないです。知らない人には面白いのかも。

タイトルの家電の神様というのは、ときどき神様が出てくる。神様というと DAIHONYA を思い出すなぁ。ていうか普通の人間だけど、ありがたいお言葉を言うキャラ。量販店とのバトルについては、

お互い、持ち味を発揮すればいいのです。」
(p.195)

ヌルいこと言ってるんだ、という気がしないでもないが。持ち味ってのは近所に電気屋さんがあるので分かる。ウチの洗濯機は無茶なことを言って、そこで買いました。どういう無茶かというと、洗濯機を置くスペースを見てもらった。これが狭いんだよね。ここに設置してくれたら買う、みたいな。設置されてしまったから仕方ない(笑)。

神様のお言葉をもう一つ紹介すると、これは、100やって1回成功したら、それは失敗か成功かという話。

多くの人は九十九の失敗に目を向けます。そうすると自信を無くし、新たな試みをしない。リスクをとろうとしない。それは本当の失敗です。」
(p.198)

一勝九敗っていう、ユニクロの柳井さんが書いた本がある。考え方は定番なので個人的には「だよね」で済んでしまったりするな。お言葉が悪いわけじゃないけど、松下幸之助さんの本とか読んでたら、知ってることしか出てこないと思う。

そういえば、轟くんより先にリストラされる天才エンジニアっぽいキャラがいる。品川さん。実際そういう人をリストラする会社ってあるのかな。この人がもっと活躍すると面白かったかも。品川編希望(笑)。

家電の神様
江上 剛 著
講談社文庫
ISBN:  978-4062935630