Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

半沢直樹 3 ロスジェネの逆襲

今日は倍返しシリーズ【謎】行きましょうか、半沢直樹3、ロスジェネの逆襲。

ロスジェネというはロスアンゼルスにあるジェネリック医薬品の会社ではありません。ロストジェネレーション、

一九九四年から二〇〇四年に亘る就職氷河期に世の中に出た若者たち。その彼らを、後に某全国紙の命名により、「ロスト・ジェネレーション」、略してロスジェネ世代と呼ぶようになる。
(p.31)

ジェネレーションって世代ですよね。ってことはロスジェネ世代って、ロスト世代世代ですか、ハンドルネームみたいな。まあいいでしょう。ストーリーは企業買収バトルなのです。公開買い付け。最近だとコクヨぺんてるが戦っていたアレですね。途中、ホワイトナイト役の企業も出てきますが、最近はホワイトナイトと言われても Matt さんしか頭に浮かんでこない。

半沢は今回、東京セントラル証券という出向先の会社の部長として頑張ります。IT企業へのアドバイザーの立ち位置です。敵は何と出向元の東京中央銀行

証券子会社が親の銀行に真っ向から戦いを挑む。そんなおもしろいことを考える人間は、私の知る限り半沢さんしかいません。
(p.309)

こう言ってるのは某週刊誌の記者です。半沢は情報をリークして株価を上げようという魂胆です。いいんですかね(笑)。

今回は教訓的な言葉が目立ちます。ITベンチャーがメインの話だからでしょうか。ITベンチャーで生きてきた私としてはすごく共感があります。半沢は出向先で部下となった森山にこんなことを言います。

全ての働く人は、自分を必要とされる場所にいて、そこで活躍するのが一番幸せなんだ。
(p.272)

でも半沢って、いつもある意味必要とされてない場所で活躍してますよね。

仕事の質は、人生そのものの質に直結しますから
(p.372)

これは玉置という、電脳雑技集団というベンチャーの元財務部長の言葉。この人は、社長のデタラメぶりに限界が来たので辞めたのです。個人的にはデタラメが通用するのって、ベンチャーじゃなくて一流大企業しかあり得ないというような先入観があります。ベンチャーはヘタを打つと簡単に潰れますから。

で、東京スパイラルという、いかにもグルグルしそうなベンチャー会社の社長の瀬名の言葉。

いまこうしている間にも、同じようなアイデアを持っている人間が世の中に十人はいると思ったほうがいい。
(p.444)

おっと、何か慌てて作らないといけないような気がしてきました。例のアプリとか。ということで今日はこの辺で。


半沢直樹 3 ロスジェネの逆襲
池井戸 潤 著
講談社文庫
ISBN: 978-4065182567