Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

英文法再入門-10のハードルの飛び越え方

今日は「英文法再入門」を紹介します。

一通り英語を学び終えた人が復習するのにいい感じの本だと思います。英文法を網羅しているわけではないので、初心者には向いてないでしょう。名詞、5文型、現在完了、受動態、疑問文、関係詞、to不定詞句、ing句と過去分詞句、第5文型、という章立てになっています。

英和辞典を使え、というアドバイスが何度も出てきます。個人的には大賛成です。ネットを見ていると、最近の中高生はあまり辞書を使っていないような気がするので、ちょっと心配なのです。

内容は文法を淡々と紹介するのではなく、例文や日本語との比較のような解説が多いため、普通に読んでも面白いと思います。例えば日本語の「た」に関して、こんな話が出てきます。

「た」には「過去」の意味と、「完了」の意味がごちゃまぜになって存在している
(p.81)

このために日本語は過去と完了の区別が曖昧になっている、いうネタです。そういえば、このブログで『次の授業は数学だった』の「た」の話をどこかで書いたような記憶があります。

一つ気になるのは、5文型理論は日本が発明したという記述。

日本人は、訓点とはまた別の "日本語への変換マシーン" を発明したのです。
(p.48)

これは間違いであると Amazon のレビュー欄で指摘されています。専門家でないので判断は避けますが、興味のある方は Amazon を確認してみてください。


英文法再入門-10のハードルの飛び越え方
中公新書
澤井 康佑 著
ISBN: 978-4121026286