Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

千の王国百の城

今日はコミックで、清原なつのさんの「千の王国百の城」。文庫本です。

真珠とりというSF連作の3つ目、「まりあ」を読みたくて図書館で借りたのですが、多分収録されている単行本を持っているはずです。どこにあるのか分からなくなりました。最近こういうモノが多いです。トランクルームかもしれません。

少女漫画家でSFというのは、萩尾望都さんや竹宮恵子さんが有名ですが、清原さんのSFは画風がそれと比べると猛烈にざっくりしているというか、はっきり言ってあまりSFっぽくありません。

そりゃあまあ
カンタンにいって
同時存在てえのは
不可能
なんですけど
(真珠とり PATTERN・3「まりあ」、p.280)

まりあがタケルと同時に存在できていないことに悩んでいるので何かとしてくれ、というややこしいシーンです。空の星が大昔の光を見ているように、目の前の人は一瞬前の姿しか認識できない、ということで、まあそりゃそうですが。

清原さんはタイムトラベル系の話が多いのですが、この本の最後に収録されている「金色のシルバーバック」「銀色のクリメーヌ」の猿系の2作品はなかなかの異色作です。

 

千の王国百の城
清原 なつの 著
ハヤカワ文庫 JA (667)
ISBN: 978-4150306670