「魔法科高校の劣等生」6巻、7巻は「横浜騒乱編」です。本編では「横浜事変」とか「灼熱のハロウィン」という言葉が出てきますが、まあぶっちゃけ戦争です。前半は論文コンペというイベントの話なのですが、このイベントの途中で武力攻撃に合うというストーリーになっています。
九校編はルールが厳格な試合でしたが、本編は理論の戦いかと思ったら途中からリアルにバトルになって大勢が大活躍するし敵兵は大勢死ぬし、まあ殺します。九校戦ではうっかり反則の魔法を使ってしまった一条将輝は今回は大活躍、といっても先頭で戦って普通に敵兵を殺しまくって味方からもドン引きされますが、こんなことを言う。
この程度でびびるなら、最初から戦場に立とうなんて考えるなよ
(7巻、p.163)
立ちたくて立っているわけでもないと思うのですが。クリムゾンという呼び名は目の前の敵が破裂して鮮血を撒き散らすという意味だというから壮絶なのです。私の場合、基本的に小説の方が光景を自分で想像できて楽しいのですが、個人的には実際に戦争をしたことがないので、こういうシーンはアニメを見た方が迫力を感じられるかもしれません。
千葉エリカの兄、千葉寿和警部が唐突に出てきて、達也と出会うシーン。
隙の無い「無形の構え」を取っている。
(7巻、p.238)
千葉家は剣術が得意ですが、これは新陰流ですか。新陰流は無形の位でしたっけ。
敵キャラで印象的なのがメチャクチャ強い呂剛虎(リュウカンフウ)、「人食い虎」という別名があります。この化け物はエリカのもう一人の兄、寿和の弟である千葉修次という剣の達人でようやく互角、後半では数名がかりで仕留めるシーンがありますが、結局酸欠にして倒さないと勝てないという無茶苦茶タフなキャラなのです。酸素奪うとか氷結するとか、そういう方法で勝とうとするのはある意味反則っぽい気もしますが。
ところで、この話でレオが秘剣を伝授されるのですが、
「秘剣! 薄羽蜻蛉。アンタにぴったりの技をね」
(6巻、p.202)
ウスバカゲロウって薄馬鹿下郎ってイメージなんだけど。実物は綺麗な緑色だけどね。特訓のところでもう少しでストリップになるシーンがありますがご愛嬌。
今回注目した名言は、
自らの才に頼むところが大きい人間ほど、より大きな才能に触れることでストレスを感じてしまう傾向がある。
(6巻、p.33)
ハードルが高くなればなるほどストレスも大きくなるのは仕方ないことですね。
魔法科高校の劣等生〈6〉横浜騒乱編(上)
電撃文庫
佐島 勤 著
石田 可奈 イラスト
ISBN: 978-4048867009
魔法科高校の劣等生〈7〉横浜騒乱編(下)
ISBN: 978-4048867016