Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

雑記

今日はちょっと疲れたのでお休みです。最近というか今頃見終わって紹介していないアニメをいくつか出してみると「ポプテピピック」「文豪ストレイドッグス」「けものフレンズ」「絶園のテンペスト」。

「ポブテピピック」は最近何故か知らんけどポプテピクッキングを YouTube でたまたま見たので改めて見直した、みたいな。これは何で大流行したのでしたっけ。

けものフレンズは個人的にはいまいち動きが不気味なのであまり紹介したくないのですが、たくさん動物が出てくるのと動物園の飼育員さんのコメントが面白いので今日紹介しようかと思ったのですが、力尽きたです。近日中にいずれ。

文ストは太宰の異能が「走れメロス」でないのがいまいち納得できません(笑)。

豆の歴史

今日の本は「豆の歴史」。原書房の「食の図書館」シリーズで、豆以外にもいろんな食べ物や酒の歴史をテーマにした巻が出ています。

豆の歴史はかなり古く、旧約聖書にも記述がありますが、基本的に貧しいという属性が付いて回るという歴史があったようです。ちなみに、ピタゴラス学派が豆を食べることを禁じていたという話が、この本には何回か出てきます。何故かと思いましたが、生のそら豆で発症する病気があるそうです。

奇妙なことに、はじめて症例が発見されたのは、ピタゴラス教団の本拠地があった現在のイタリア南部である。
(p.75)

当時の人達がそれに悩まされていたのかもしれません。

最近になって、豆の健康効果に注目されるようになってきました。特に米との組み合わせについては、

米にはリジンという必須アミノ酸が不足しているが、豆には多く含まれている。一方、豆に不足しているメチオニンという必須アミノ酸が、米には多く含まれている。
(p.76)

納豆ごはんは最強コンビのようですね。もっとも、精米すると米の栄養分はかなり減ってしまうようです。

ちなみに、豆は野菜だそうです。

米やパスタに似た使われ方をするため、でんぷん食品に間違われることが多いが、豆は野菜である[植物分類学上、豆とはマメ科に属する穀類と定義されるが、実際には未成熟状態で食べる場合(野菜)、成熟して乾燥させた状態で食べる場合(穀物)などの使い分けをするのが日本では一般的]。
(pp.65-66)

[]内は訳者による注釈です。確かにさやいんげんのような状態だと野菜感がありますね。

この本は豆そのものの歴史だけでなく、各国の豆料理の紹介、農産物としての豆の立ち位置のような話も出てきます。つまり豆知識が満載なのです。豆が出てくる話もいくつか紹介されています。

民間伝承や寓話には、人間が社会性を身に着けるうえでの必要な知恵や知識が詰まっている。
(p.84)

ということで豆が出てくる話には豆の持っている役割を象徴したような内容が含まれているわけですが、実例として、「田舎のネズミと町のネズミ」「エンドウ豆の上に寝たお姫様」「ジャックと豆の木」などが出てきます。さらに風習として、

日本には何世紀も続く「豆まき」という儀式がある。
(p.89)

という点にも触れています。調べてみると、日本の文献では室町時代に記述があるというので、600年ほど前からあるようです。


豆の歴史 (「食」の図書館)
ナタリー・レイチェル モリス 著
竹田 円 翻訳
原書房
ISBN: 978-4562058549

わたしたちが孤児だったころ

今日の本はカズオ・イシグロさんの「わたしたちが孤児だったころ」。

タイトルはストーリーに密接に関係している。要するに、物語の最後に出てくる、

消えてしまった両親の影を何年も追いかけている孤児
(p.530)

これが主人公のクリストファー・バンクスだ。クリストファーの両親は、クリストファーが子供の時にどこかに連れ去られてしまう。まず父親が失踪する。そして母親は誘拐される。そしてクリストファーは孤児となる。大人になって探偵となったクリストファーは両親を探すが、なかなか見つからない。

舞台はロンドンと上海。PART 1 は 1930/7/4、PART 7 は 1958/11/4 という日付が書いてあるが、大部分は1937の日中戦争が勃発するまでの描写だ。特に後半の戦地のシーンは生々しい。

全体の背景として出てくるアイテムはアヘンだ。アヘン戦争に関しては、日本では世界史で習っているはずだが、

今ではアヘンは蒋介石軍を養うために売られているんだ。蒋介石という権力を維持するためにね。
(p.496)

これが史実なのか小説としての演出なのか分からないが。麻薬取引の元締めを辿って行ったら最後は国だった、というのはコミックでもよくあるような話だ。何だかんだ言ってヒエラルキーの最上位は国家権力なのだ。

イギリス人の検査官がクリストファーの母親に対して、山東省の使用人はアヘンをやっていて信用できないから雇わない方がいいと忠告したときに、中国人にアヘンを売ったのはイギリス人ではないのかと食ってかかるシーンがある。しかしどうも欧米人のパターンは今でもそう変わっていないような気がする。今というのはもちろん令和の今の話だ。

クリストファーの友達として出てくる日本人のアキラは、なかなか微妙な立ち位置で絡んで来るので面白い。イギリス人のクリストファーが日中戦争の真っ只中で人探しをするというシナリオはどう見ても尋常ではないのだが、作中でのイギリス人、中国人、日本人というキャラの書き分けが、現実の当時の人達とどの程度マッチしているのかよく分からない。特に中国人はかなり厳しく描かれているような気がするのだ。

最後に、この小説から一言。

人はノスタルジックになるとき、思い出すんだ。子供だったころに住んでいた今よりもいい世界を。
(p.444)

過去の思い出は浄化・美化されて夢のようになっていく。


わたしたちが孤児だったころ
カズオ イシグロ 著
Kazuo Ishiguro 原著
入江 真佐子 翻訳
ハヤカワepi文庫
ISBN: 978-4151200342

桜Trick

今日はアニメで「桜Trick」。2014年の冬アニメ。原作は4コマ漫画で、作者はタチさん。

やたら女の子同士でキスするアニメです。タグだと百合とか付いてきますけど、どちらかというと日常コメディです。原作が4コマのアニメといえば「けいおん!」もそうですが。

バケツ抹茶プリンというのは実在するのでしょうか。マウンテンあたりに行けばありそうな気もします。

 

雑記

今日はやたら眠いのでお休み(笑)ということで。でも今日読み終わった本があります。松岡正剛さんの「日本という方法」です。

これはかなり深い内容で、じっくり評してみたいので少し時間をかけたいと思います。

もう一冊、読み終わっていますが感想をじっくり書きたい本があって、「猫は宇宙で丸くなる」。

これは結構面白いです。先日紹介した「100万分の1回のねこ」のSF版みたいな感じです。実際は丸くなってないようですが。

バカとテストと召喚獣にっ!

今日はアニメで「バカとテストと召喚獣にっ!」。2011年の夏アニメで、第一期は以前紹介しています。

第一期のキャラがそのまま出てきますが、前半は水着回とか夏祭り回とかよく分からない展開で、さらに女子の入浴シーンをのぞきに行く話が延々と続きます。メールの誤送信はアルアルなので笑えますね(笑)。今回は第一期のような、クラス替えで激烈なバトルが続くような流れではないですが、各キャラの内面的な描写【謎】がたくさん出てくるので、キャラへの親近感が増すのではないかと思います。

瑞希の料理シーンもなかなか笑えます。料理を毒殺に使うというのは斬新なアイデアだと思いました。転スラでさえ、せいぜい罰ゲームですからね。

途中の回想シーンとか恋バナ的なシナリオは、ちょっとシリアスになってしまいます。全体的にはあまり気にせずにリラックスして観ていて面白いのでは。

 

クオリディア・コード

今日はアニメで「クオリディア・コード」。オリジナルの作者はさがら総さん、橘公司さん、渡航さん。3人あわせて Speakeasy さんです。ただし Wikipedia で見たところ、アニメのストーリーはオリジナルのようです。

ジャンルは SF バトル系。世界観は説明するのもややこしいので省略させていただきますが、要するにアンノウンという謎の生物と人類が戦う話。クオリディア・コードというのは戦う子供たちに埋め込まれているハードウェアで、外界を認識するときに上書きするという恐ろしい代物。

メインキャラとなる朱雀、カナリア舞姫、ほたる、霞、明日葉の6人がそれぞれ極端に個性的で分かりやすいです。個人的には一貫して無表情な霞が気になります。大ピンチの時にあれだけ落ち着いて行動できるものですかね。まあどんなアニメにもそういうキャラはいるのですが。

途中からのどんでん返しとさらなるビックリが用意されていますが、最近そういうのに慣れてしまったのか、なるほどなるほど、という感じです。

前半でアンノウンをばっさばっさと倒しているシーンは爽快なのですが、後半になってから、前半にあんなに倒してよかったのかな、と多少疑問に感じてしまいました。