新宿西口のイベントコーナーで古本市をやっています。つい買ってしまったのですが、Amazon で見つけることができませんでした。多分、これが同じ内容だと思います。
買ったのは岩波書店の同時代ライブラリーというシリーズでした。実は買いたい本は他にあったのですが、それは見つかりませんでした。どこかにあったかもしれませんが、本が多すぎて探しきれません。
知恵袋で「何がわからないのかもわからない」という質問があったので、これは確かひたぎさんの言葉だよな、と思いまして、化物語をちょっと読み直してみました。
勉強という言葉が含まれるイベントで苦労することなんて、私のこれまでの人生にはまったくなかったから、阿良々木くんが何に悩んでいるのか、何に行き詰っているのかが、ちっともわからないわ……阿良々木くんが何がわからないのかわからないのよ
(p.279)
ひたぎさんは推薦で大学に行ってしまう勉強がかなりデキる人なので、分からないということが分からない、つまりなぜ分からないのか理解できていないのです。分かっている人にとって、分からない人がなぜ分からないのかを理解するのは案外難しいです。
何となく、実は分かっていてわざと分からないと責めているような気もしないでもないですが。
この本、図書館の普通のコーナーにさりげなく置いてあったのでうっかり借りてしまったけど、子供も借りていいのかな、というようなハードな内容。装丁も艶本みたいな感じがする。最近はこの程度では驚かないのか。Amazon のレビューにもあるけど、エロさが半端ない。
3つの作品が入っているが、登場人物が重複していて、最初はお咲の視点、次は吉乃の視点からの物語となっている。「咲乱れ引廻しの花道」は、与力の娘、お咲が、吉乃という死罪になった女の身代わりになって市中引廻しの刑を受けるという話。縄をかけられて馬に乗せられるのだが、お咲が乱れるので咲乱れというのはスゴいタイトルだ。きわどい描写を引用したら誰かクリックしてくれそうな気もするが、やめておこう。
がんじがらめに縛につけられているというの / に。身ではなく心が楽になっていく。
(pp.48-49)
心が楽になるというのは、一体どういうことかというと、
強烈な縛につくことによって、かえってそれまで漠として形の定まらなかった、身の自由、心の自由というものが、くっきり炙りだされるようであった。
(p.60)
単にいつもは「ある」から気付かないとか、そういうものでもなさそうだが、日々の生活の中に定常的なストレスがあると慣れてしまって気付かない、そこから急に開放される、みたいなことだろうか。雰囲気的には多少露出狂的な性癖があるような感じもする。
二つ目の話、「香華灯明、地獄の道連れ」は芳乃の視点。この芳乃というのも魔女みたいな女性で、周囲がどんどん巻き込まれる感じが物凄い。アイテムとしては、すごろくが出てくる。
すごろくこそ人生の縮図であった。どこかに己のあがりがあり、そこに向かって生きていくのだ。
(p.88)
人生は実はリアル人生ゲームなのだ。じゃあ、人生ってどういうステージなのか。
――みな、華やかな牢獄にいるのだ。
(p.123)
人生は既に地獄。死んだら天国に行けるという宗教は多いが、実は今いるところがまさに地獄なのであって、そこから開放されるのが死ぬということ、この話を読めばそんな気がしてくる。
芳乃を「ひらく」のは1のゾロ目。
数の組み合わせには特別な意味があると人は思いがちだ。特に同じ数が三つ揃うと、それだけで価値ある何かが起こったような気になる。
(p.125)
3つのサイコロを振ってゾロ目になる確率は約3%。珍しいとは思うがガチャでレアカードを引くよりはいい確率のような気もする。
この本、最初から最後までプレッシャーかけまくりの状況が続くが、
耐えに耐えた分、成就したときの悦楽は激しいものとなる。
(p.141)
それは確かにあると思う。大きな喜びが欲しければ、大きな苦しみが必要なものだ。
今日はモーニングの発売日、最初に行ったコンビニでは売り切れていたので少し遠いところまで行って買ってきました。ドラゴン桜2に林先生登場。いつ出るの?
今回、読み聞かせの話が出てくるのですが、今読んでいる「天才を考察する」にも、こんな話が出てきます。
本の読み聞かせの回数が少ない親との比較において、秋期に本の読み聞かせの回数が多いほうが、読み書き能力の並行試験の成績がよく、その年度中の進歩が大きいとわかった。親の教養のレベル、親の読み書き能力のレベル、家庭に本があるかどうかの影響を調整しても、その結果は変わらなかった。
(p.358)
この本は、才能が遺伝子だけではなく環境に大きく依存するということが書かれているのですが、引用したところは、親の教養レベルが遺伝子や環境として子に継承されているのではないか、という仮説を立てて実験したという話で、結局、幼児期の読み聞かせが最も読み書き能力に大きく影響したというオチなのです。
英語を話す集団では、生後14カ月で、週に数回、あるいは毎日本を読むことが、語彙と理解力に大きく関係していた。
(p.357)
遺伝子とは無関係に、子供に読み聞かせると、学力が上がるわけです。しかし、受験生になってからそういうことを言われても、なんだかなぁ…ですよね。
天才を考察する―「生まれか育ちか」論の嘘と本当
デイヴィッド シェンク 著
David Shenk 原著
中島 由華 翻訳
早川書房
ISBN: 978-4152093226