Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

菜根譚 (13)

最近、ここに書こうとして「記事を書く」をクリックした途端にエラーしてどうしようもない、という現象が多発するのだが、はてな? という感じ。何なのだろうか。別のウインドウではてなにログインの所からやり直すと、そこでも不可解な現象が発生していて、IDの入力からやり直さないとログインできないのだ。何か悪いことしたのだろうか。

とか思いつつ、今日の菜根譚はちょっと面白いものを。「寺院にむらがる人々」

淫奔之婦、矯而為尼、熱中之人、激而入道。清浄之門、常為婬邪之淵藪也如此。
(p.412)

淵藪(えんそう)というのは、

淵は川の水が深くなった場所で、魚が集まり群れるところ、藪はやぶの中で、鳥獣などがひそみ隠れる場所。
(p.412)

どんよりとして簡単には近付けないが雰囲気的に何かわらわらいる、みたいな感じの場所だ。清浄之門、即ち心身を清めるべき寺に集まってくる人達がどんなのかというと、淫奔之婦とか、熱中之人だという。熱中というのは「のぼせやすい男性」という現代語訳になっているが、諸星あたるみたいな感じなのかな。

これを恋愛や情欲も極めたら仏門に至ると考えるべきか、あるいは信心も根っこは世俗と変わらないということなのか。「常」と言い切っているところも奥が深い。婆子焼庵という公案があるが、情欲と悟りとの間には単純な相反では説明できないものがあるのだ。


菜根譚
講談社学術文庫
中村 璋八 翻訳
石川 力山 翻訳
ISBN: 978-4061587427