Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

観用少女(プランツ・ドール) (1)

今日は体調が悪い【危】ので、昔読んだ川原由美子さんの「観用少女」(Plants Doll) を紹介します。この本、昨年の雑記で一度ネタにしているのですが、川原由美子さんのコミックの中では割と好きな作品です。

観用少女というのは、少女のような外見なのですが、Plants という位なので植物なのでしょうか。でもミルクで育てるのですよね。

エサは一日三回
ミルクを与える
だけです

あとは
週に一回程度
肥料として
砂糖菓子を与えて
頂ければ色つやが
保てますし
(p.9)

関係ありませんが、このマンガ、断ち切りが多いのでページを確認するのが大変なんですよ。とりあえず肥料をやるということで、植物でいいでしょう。しかし重要なのは、

観用少女
何よりの栄養は
愛情でござい
ますからね
(p.10)

これは観用少女のショップの店員のセリフなのですが、店員、なかなかいいキャラです。それはそうとして、観用少女は心の交流がないと枯れてしまうのです。これがポイントです。ラブプラスみたいですね。あと、特徴としては、眼の玉が飛び出るほど高額です。買い取りもしてもらえますが、超絶買い叩かれるようです。

何作か紹介しますと、まず第6話の「ブルードール」。闇金融をしているボスと、そこで働いている拾われた若者が、夜逃げした店から持ち出した観用少女を育てるストーリー。育てるのは若者ですが、最初は全然なついてくれません。若者は捨てられた観用少女を見て、こんなことを思っていたので、見透かされて嫌われてしまったようです。

なんか自分
見てるみたいで
やだったよなぁ

(p.162)

第7話の「空中庭園」は前回セリフを紹介した話。個人的にはこの巻ではこの話が一番好みですが、今回は省略します。大金持ちのボンボンの世話にバイトに入ったメイドさんが監禁されてしまう話です。

第10話の「天使の役作り」。夫と親友に裏切られて一人になった女が、観用少女を買ってモデル・俳優に目覚めるストーリーです。サクセスストーリーですね。観用少女を育てるようになってから、気付くのが、

迎える側の
笑顔の重さ
その大切さ
(p.278)

苦しいときも笑っていると、苦しさが和らぐといいます。心理的な効果だと思いますが、笑顔というのは重要なのです。


観用少女(プランツ・ドール) (1)
川原 由美子 著
ソノラマコミック文庫
ISBN: 978-4257720997