Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

東大ドクターが教える集中術

今日はもう読む本もないので雑記にしてしまおうか、と思ったのですが、今日書けば今月も終わりなので、一冊紹介しておきましょう。選んだのは「東大ドクターが教える集中術」。

どうすれば集中できますか、というのが Yahoo!知恵袋でも FAQ です。私はどちらかというと簡単に集中してしまうタイプなので、どうすればと言われても困るのですが、この本はまず集中を4つのタイプに分類しています。

一、同じ作業をより短時間で仕上げる技術。
  ――〈スピード集中〉
二、長時間一つの作業に集中し続ける技術。
  ――〈スタミナ集中〉
三、たくさんある仕事の中から一つだけ集中する技術。
  ――〈セレクト集中〉
四、目の前の一歩に集中する技術。
  ――〈ステップ集中〉
(p.26)

集中をこのように4つに分類した上で、それぞれの対策が具体的に説明されています。ざっくりいえば、スピード集中については、速く処理する訓練によりスピードを上げる。 スタミナ集中については、疲労を避ける。 セレクト集中については、ツールを使ってタスクを管理する。 ステップ集中については、目標を細かく分ける。

いずれも、対策としては極めて合理的です。

スピード集中に関しては、ドラッガーの言葉を引用した上で、次のように主張しています。

「計測できるものは改善できる」のです。
(p.46)

確かに数値化できないと管理・改善は難しいです。スコアやタイムがあることで、改善後のゴールも決めることができるわけです。

エビングハウス忘却曲線に対しては、単純にタイミングを開けて復習するのではなく、セルフレクチャーや記憶術、分散学習のような方法が提案されています。脳の疲労回避のためには、どのような食品が適しているか、リストが出てきます。パンより蕎麦がよさそうですね。このように実際に試せるようなアイデアが書かれています。

一つ心配なのは、集中できない人が、この本を最後まで集中して読み切れるかどうかですね。


東大ドクターが教える集中術
森田 敏宏 著
小学館101新書
ISBN: 978-4098251599