Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

キノの旅 the Beautiful World

今日の本は「キノの旅」です。アニメにもなっていますが、いろいろあって図書館に行くことになってしまって、1冊読んでしまいました。

キノという少女がエルメスという会話のできるバイクと旅をする話です。それぞれの国のことを短編形式で書いているので読み易いです。童話という評もあるようですが、言い得て妙です。

アニメを先に観ていたので、ストーリーがいくつか事前に分かっていましたが、小説の方が自由にイメージできるので面白いけど難しいですね。特に拳銃に関する描写は深いです。

キノは一つの国には三日滞在することにしているそうです。

昔会った旅人が言ってた…。それくらいがちょうどいいんだってさ。
(p.58()

短くても長くてもいけないようです。

さて、各話の評というのはネットでは出尽くしているみたいな気もするので、気になったところだけ紹介してみます。ま、いいがかりのようなモノです。

君達も、昔親から言われたことはないかい? 人の痛みが分かる人間になりなさいって。そうしたら相手のいやがること、相手を傷つけることをしなくなる。
(p.35)

私が小学生の頃には、「人のいやがることをしなさい」と教わったような気がしますけど(笑)。

コロシアムという殺し合いの話ですが、

見学する人間は全て、勝負中に流れ弾などに当たって怪我を負っても、もしくは死んでしまっても一切の文句は言えない。
(p.105)

いくらなんでも死ぬというのはあんまりなので、死んでしまった本人だけは文句を言う権利を与えてもいいと思います。

大人の国では、

大人には自分勝手な行動は一切許されない。なぜなら、仕事をするからだ。仕事とは生きるために必要な、人生で最も重要なことだ。仕事である以上、たとえそれがやりたくない行動でも、間違っていると思うことでも、絶対にやらなければならない。
(p.176)

今の日本とはずいぶん違う世界ですね。ニートのいない世界って想像できないです。私の知っている会社では、とある社員にやりたくない仕事を与えたら、その人は次の日から来なくなりました。

さて、マジレスというか今回のシメですが、これはかなり共感できました。

たまには、自分の最高の実力を出すべきだ。そうしないと、知らない間に腕はにぶるものさ
(p.114)


キノの旅 the Beautiful World
時雨沢 恵一 著
黒星 紅白 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4048668491