Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

雑記

今日もいろいろアレ【謎】なので、全く書く気がしない。やる気が0になっている。本は読んでなかったのかというと、怪盗探偵山猫の「虚像のウロボロス」を読み切って、今3作目に入っている。この小説の舞台は小田急沿線、特に下北沢だ。下北沢は昔住んでいた街だから、ある程度は土地勘がある、と言いたいところだが、今の下北沢はさっぱり分からない。

馴染みの店もあらかた無くなってしまった。昨年行ったときには、酢辛味ラーメンと餃子が美味かった一休も、チャーハンが美味かった大連もなくなっていた。とうの昔に閉店したのだと思う。駅前の喫茶店もなければ路地に入ったところの喫茶店も深夜にも開いていた喫茶店も全部ない。蜂屋なんて真っ先に消滅したはずだ。バイトの後輩を連れていって好きなだけ食えと豪語したのが懐かしい。ぐちゃぐちゃな雰囲気のアメ横みたいな商店街も、待ちきれなくなった誰かが毎年のように死んでいた悪魔の踏切もない。

全部無くなっているのかというと、餃子の王将がまだあったのは驚いたし、キッチン南海があったのはもっと驚いたのだが、それにしても、下北沢なんかを舞台にしてしまったら、聖地にはなり得ない。

しかし、月日は流れ、下北沢の街は、区画整理が行われ、地上を走っていた小田急線も地下に潜り、様変わりしてしまいました。
(怪盗探偵山猫 虚像のウロボロス神永学著、角川文庫、p.380)

このあんまりな激変ぶりでは、後から訪れる人が可哀そうだ。トンネルを抜けたらそこは圏外だった、みたいな感じで途方に暮れるしかないのである。神永さんも下北沢を街と書いているが、あれは紛れもなく町ではなく街だった。今はそうでもないような気がした。