Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

魔法科高校の劣等生 (15) 古都内乱編 (下)

今日も書く暇ないのですが、「魔法科高校の劣等生」の「古都内乱編」、(下) から、まずプロジェクト的に役に立ちそうな名言【謎】をいくつか紹介します。

いきなりですが、

先入観が強すぎると事実が見えなくなるかもしれない
(p.35)

勘で解決することもよくあるのですが、先入観が邪魔することもあるのは事実ですね、特にデバッグの時などは。

部下の扱いについて役に立ちそうなのが、コレ。

たとえ面従腹背であろうとも、立場を裏切らず期待を裏切らず結果で裏切らなければ、結果を出さない忠義者より有用なのです。
(p.53)

あるいは、

善良で無能な部下より、性格が悪くても有能な部下の方が良いでしょう?
(p.281)

このストーリーとしては、部下というよりも使い捨て的な駒として使われている感じのキャラが多いようですが。ストーリーの中からちょっと紹介してみますと、古都内乱ということで京都が舞台なので、清水寺の近くの湯豆腐屋が敵のアジトになっていて、乗り込むシーンがあります。このあたりの湯豆腐は食べたことがありますが、いつも満員ですからできれば予約してから行った方がいいと思います。湯葉鍋を食べるシーンで、

豆乳を温め、表面にできた膜を竹串で引き上げて食べる。単純に、その工程に時間が掛かるのだ。
(p.141)

実際は湯葉はすぐできるので、そんなに時間はかからないのですが、止めるタイミングがつかめないのですよね、湯葉鍋。湯葉をすくって食べたら次の膜がすぐできるので、またすくって食べてしまう。エンドレスで。

本編の下巻で面白いのが七草真由美が酔っ払うシーン。

真由美は酔っ払うと幼児退行するタイプだ。
(p.246)

ちなみに、達也に服を脱がせるように言うシーンはイラストも付いています。

最後に、例によって、今日のありがたい言葉。

「どんな理屈をつけようと、あるものはある。無いものは無い」
(p.298)


魔法科高校の劣等生 (15) 古都内乱編 (下)
佐島勤
石田可奈 イラスト
ISBN: : 978-4048691673

魔法科高校の劣等生 (14) 古都内乱編 (上)

魔法科高校の劣等生、14~15巻は古都内乱編、主に京都が舞台になります。

本編はザックリ要約すれば、周公瑾とのバトルです。ざっくりすぎてすみません。ストーリー的な話は次回に回すとして、今回はチームプレイに関して出てくる科白をいくつか紹介します。この種の格言的なセリフは主に達也が語りかけるのですが、達也というのは任務達成が最優先、手段は問わないようなところがあるので、そちらにベクトルが向いたものが多くなります。

「自分たちに任せられたことは自分たちだけでやり遂げたい、という気持ちは理解できる。だが任務を成功させることの方が優先される」
(p.47)

プロジェクトでも鉄則ですね。できないときはできないと早く宣言して他の人に投げる。自分のできることをやるというのが成功への近道です。ただ、できないということで逃げてばかりでは腕は上がらない。

味方が必ずしも信用できる相手である必要は無い。要は、いざという時にこちらの注文どおり動いてくれれば良い。
(p.83)

信用できなくても、結果的に想定通りに動いてくれれば構わない、というのはかなりドライな発想です。確かに「1週間でできます」と豪語するけどいつも2週間かかるスタッフがいたら、最初から2週間かかる計算で計画を立てればいいだけのこと。もちろん本人には1週間でやるように指示しておくわけです。

本編では四葉家の系列である司波家が、他家の九島家と裏で手を組むというシーンがありますが、その場面で出てくる言葉。

普通は貸したり借りたりを通じて縁を築き絆を深めるものなのだけど
(p.91)

そういう駆け引きは、ある程度信頼できる、常識的な感情を持っている相手でないと通用しません。借りるだけ借りて貸す気がないようなのが相手だと疲れるものです。

という事で、最後に、今日のありがたい言葉。そんなに有難くもないですが。

第一印象というのは中々覆るものではない
(p.214)


魔法科高校の劣等生 (14) 古都内乱編 (上)
佐島勤
石田可奈 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4048668606

雑記

今日は木曜日なので週刊誌、モーニングの発売日。2018年35号。今回は「ハコヅメ」の微妙なゴダゴダっぽさがよかったです。「イチケイのカラス」の判決文も真面目に読んでしまいました。バトルスタディーズは予想通りの展開。

魔法科高校の劣等生 スティープルチェース編

魔法科高校の劣等生、13巻はスティープルチェース編。知らない人は意味が分からないはずですが、魔法大会の「九校戦」の競技種目の名前です。具体的には、

障害物競走をクロスカントリーで行う競技
(p.51)

ですが、もちろん魔法を使ってクリアすることになるわけです。

ストーリーとしては、九校戦が表で、裏ではパラサイドールという人型兵器の実験が並行していて、それを達也がぶっ潰すという感じです。九校戦編では、魔法競技の様子が比較的詳しく描かれていましたが、今回はサラっと程度です。スティープルチェースも、競技よりは裏で達也がバトルしているシーンの方がメインな感じで、ピクシーの活躍とか、マッドサイエンティストっぽい主任研究員がなかなかキレているのも面白いです。

そういえば最近どこかで「非生産的」という言葉が流行しているようですが、

「兄妹でデートなんて非生産的だと思いますけど!」
(p.138)
「それを言うなら、休日を姉妹で過ごすのも非生産的ではないのか?」
(p.139)

こんな感じで非生産的な口論をしているのは、七草の双子と達也。別にデートで生産【なにを?】する必要はないような気はしますが。

とにかく伏線的な話題がゆるく絡み合っているので、いまいち分からないような話なんですが、前後と合わせて読めば伏線だというのがよく分かる仕組みになっているようです。

結局、事件の本質が何だったのかは、全てが終わった後でなければ分からない…
(pp.164-165)

終わっても分からないことの方が多いような気もしますが。

今日のいい言葉。

知らない方が良いこともある、なんて言うが、あれは嘘だ。知識が足りなくて困ったことはあっても、知識が邪魔になったケースなんて俺は遭遇したことが無い。
(p.175)

私は結構あるんですけどね。一番ありがちなのが、成功率が低いことを知らずに無謀なことをして、さらに偶然成功するみたいな。成功率を知っていたら知識が邪魔になって挑戦できないから、結果も得られない。

 

魔法科高校の劣等生 (13) スティープルチェース
佐島 勤 著
石田 可奈 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4048665070

魔法科高校の劣等生 ダブルセブン編

今日は12巻、ダブルセブン編。

ダブルとは何かというと、多分、七の付く七草(さえぐさ)家七宝家の高校生バトルという意味か、七草の泉美、香澄の双子姉妹のことなのか、どっちかあるいは両方でしょう。

ストーリーは達也が高二になった新学期が舞台となります、入学式やクラブの新歓週間や、入学編であったのと同じようなゴタゴタが発生します。ちなみに七草の双子というのは、前生徒会長だった七草真由美の妹ですね。真由美は卒業して魔法大学の学生になっています。

今回は魔法師を差別するグループとして人間主義というものが出てきます。

人間主義とは、魔法を人間にとって不自然な力と決めつけ、人間は天(あるいは神)に与えられた自然な力だけで生きて行くべきとする宗教的な側面を持った魔法師排斥運動のことだ。
(p.228)

AIがもう少し流行ると、こういう宗教がそろそろ出てきそうな気がしますね。今でもあるのかな、コンピュータは使わないで人間の頭で考えろ的な宗教。逆に機械主義者というのも出てくるでしょう。人間は考えずにコンピュータに全投げすべきだ、的な宗教。

今回はマスコミがいろいろ出てきて、政治家がそれを利用しているのかされているのかよく分かりませんが、とにかく出てきます。事前に情報をgetしてマスコミを利用するようなシーンは面白いです。マスコミを使った情報操作ですね。公開実験ではクーロン力を制御する魔法が使われていますが、クーロン力といえば「ノーゲーム・ノーライフ」の具象化しりとりを思い出します。

克人君、『世論』に対抗する有効な手段が何か、分かりますか?
(p.243)

これに対して「分断を図る」という正解が紹介されていますが、議論がぐちゃぐちゃになるというのはネットの工作員の得意技のようで、実は見る人はちゃんと正しい論に付いているような気もするんですよね。ネットでは「?」な意見に「いいね」が多数付いていても、コメントが逆ばかりだったり、何かいろいろ面白い現象が見られます。

バトルシーンとしては、正式な試合で双子と七宝琢磨の両方失格になってしまうバトルと、その後の琢磨 vs 十三塚、その後の十三塚と達也の試合が激しいですが、今回は殺し合いではなく試合なので、そういった迫力としてはそれなりです。

今回のいい言葉。

自分のことは分かっているつもりでも本当は分かっていない
(p.139)


魔法科高校の劣等生 (12) ダブルセブン編
佐島 勤 著
石田 可奈 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4048660037