Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

雑記

今日は「好色一代男」を読み終えたので雑記にします。

今回読んだのは吉行淳之介さんの現代語訳。後半に「訳者覚え書」には訳に苦労した話がたくさん出てきて、これも面白いです。

兵部卿の匂い袋」はたんに「匂い袋」だけでもかまわない。兵部卿とはどんなものか知らない。しかし、「クリスチャン・ディオールの香水」というような言葉を連想させるので、そのままにしておいた。
(p.258)

古文というのは当時の日本人にとっては現代語なのですが、時代が変わると意味が通じないわけで、それを何とか伝えようという努力が凄まじいです。声を出して読むとリズムが整っているのがよく分かります。

この古典、作者は井原西鶴さんとされていますが、文庫本にはその名前が出ていません。表紙には「吉行淳之介訳」とだけ記されています。どのような意図なのか分からないのですが、とりあえず、出所表記も表紙と同様の内容にしたいと思います。

 

好色一代男
吉行 淳之介 翻訳
中公文庫
ISBN: 978-4122049765