Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

魔法科高校の劣等生 (14) 古都内乱編 (上)

魔法科高校の劣等生、14~15巻は古都内乱編、主に京都が舞台になります。

本編はザックリ要約すれば、周公瑾とのバトルです。ざっくりすぎてすみません。ストーリー的な話は次回に回すとして、今回はチームプレイに関して出てくる科白をいくつか紹介します。この種の格言的なセリフは主に達也が語りかけるのですが、達也というのは任務達成が最優先、手段は問わないようなところがあるので、そちらにベクトルが向いたものが多くなります。

「自分たちに任せられたことは自分たちだけでやり遂げたい、という気持ちは理解できる。だが任務を成功させることの方が優先される」
(p.47)

プロジェクトでも鉄則ですね。できないときはできないと早く宣言して他の人に投げる。自分のできることをやるというのが成功への近道です。ただ、できないということで逃げてばかりでは腕は上がらない。

味方が必ずしも信用できる相手である必要は無い。要は、いざという時にこちらの注文どおり動いてくれれば良い。
(p.83)

信用できなくても、結果的に想定通りに動いてくれれば構わない、というのはかなりドライな発想です。確かに「1週間でできます」と豪語するけどいつも2週間かかるスタッフがいたら、最初から2週間かかる計算で計画を立てればいいだけのこと。もちろん本人には1週間でやるように指示しておくわけです。

本編では四葉家の系列である司波家が、他家の九島家と裏で手を組むというシーンがありますが、その場面で出てくる言葉。

普通は貸したり借りたりを通じて縁を築き絆を深めるものなのだけど
(p.91)

そういう駆け引きは、ある程度信頼できる、常識的な感情を持っている相手でないと通用しません。借りるだけ借りて貸す気がないようなのが相手だと疲れるものです。

という事で、最後に、今日のありがたい言葉。そんなに有難くもないですが。

第一印象というのは中々覆るものではない
(p.214)


魔法科高校の劣等生 (14) 古都内乱編 (上)
佐島勤
石田可奈 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4048668606