Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

ミレニアム

タイムトラベル…って死語なのかな、今だとタイムワープというのか? つまりSFですわ。キーワードは幼弱者かな。物語は飛行機が衝突する大惨事から始まる。超レアな確率で衝突したのは 747とDC-10で、もちろん両機墜落だから全員この世の人ではなくなってしまうのだが、事故の報道対応のシーンとか超リアルなのが乙です。専門家的にはリアルかどうか議論があるようですが、専門家ではないので分かりません。

ヒロインはルイーズ・ボルティモア。見出しには救奪隊隊長と書いてあるけど、救奪隊って何のよ、というところから説明するのは億劫なのでタイムパトロール的な何か、ということでお許しを。タイムパトロールだけに金銭感覚、じゃないや、被害感覚が凄いです。

つまり、核兵器で起こりうる最悪の事態はなにかっていうと、数百万人の人が死ぬことでしょ。
(p.86)

こんなのは誤差だって話で、

時間旅行では、全宇宙が破壊されることもありうるわ。
(p.86)

スケールでかいですね。化物語シリーズで全世界が滅亡という時空間シナリオがあったような気もしますが、小さい小さい。しかし、テロリストじゃないけど破壊主義者とかいるじゃないですか。世界が破滅してしまえ的な。そういうのが1人いて、やらかしただけで、全宇宙が消えるわけだ。そうなるとやはり神の出番かもしれません。

コンピュータ感はいまいちかも。コンピュータは専門家なので私の評価が辛いのかも。

コンピュータはとっくの昔にひじょうに複雑で精密な機械になっているから、もはや人間が指示を出すことすら不可能になっているのだ。
(p.161)

指示云々は同感なんだけど、個人的にはコンピュータはリアルな世界で近い将来「機械」でないナニカになるような気がしています。機械では対応できなくなって。そして、もうとっくの昔にリアルはフィクションを超えています

さて、このストーリーも(も?)ちょいエロなシーンとか出てくるので、そういうのがお嫌いな人はご遠慮ください的な感じも若干あるけど、ハードな話でもないので気にしないでいいかもしれないし。ルイーズがこんなことを言うシーンがあります。

あなたが寝ようとしている相手のもっているのが、本物なのか、それともよくできた贋物なのか知ることはできない。
(p.93)

本物って要するにアレのことです。ルイーズは女性だからね。


ミレニアム
ジョン・ヴァーリィ著
風見潤
角川文庫
ISBN: 978-4042731016