Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

魔法科高校の劣等生 スティープルチェース編

魔法科高校の劣等生、13巻はスティープルチェース編。知らない人は意味が分からないはずですが、魔法大会の「九校戦」の競技種目の名前です。具体的には、

障害物競走をクロスカントリーで行う競技
(p.51)

ですが、もちろん魔法を使ってクリアすることになるわけです。

ストーリーとしては、九校戦が表で、裏ではパラサイドールという人型兵器の実験が並行していて、それを達也がぶっ潰すという感じです。九校戦編では、魔法競技の様子が比較的詳しく描かれていましたが、今回はサラっと程度です。スティープルチェースも、競技よりは裏で達也がバトルしているシーンの方がメインな感じで、ピクシーの活躍とか、マッドサイエンティストっぽい主任研究員がなかなかキレているのも面白いです。

そういえば最近どこかで「非生産的」という言葉が流行しているようですが、

「兄妹でデートなんて非生産的だと思いますけど!」
(p.138)
「それを言うなら、休日を姉妹で過ごすのも非生産的ではないのか?」
(p.139)

こんな感じで非生産的な口論をしているのは、七草の双子と達也。別にデートで生産【なにを?】する必要はないような気はしますが。

とにかく伏線的な話題がゆるく絡み合っているので、いまいち分からないような話なんですが、前後と合わせて読めば伏線だというのがよく分かる仕組みになっているようです。

結局、事件の本質が何だったのかは、全てが終わった後でなければ分からない…
(pp.164-165)

終わっても分からないことの方が多いような気もしますが。

今日のいい言葉。

知らない方が良いこともある、なんて言うが、あれは嘘だ。知識が足りなくて困ったことはあっても、知識が邪魔になったケースなんて俺は遭遇したことが無い。
(p.175)

私は結構あるんですけどね。一番ありがちなのが、成功率が低いことを知らずに無謀なことをして、さらに偶然成功するみたいな。成功率を知っていたら知識が邪魔になって挑戦できないから、結果も得られない。

 

魔法科高校の劣等生 (13) スティープルチェース
佐島 勤 著
石田 可奈 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4048665070