Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

魔法科高校の劣等生 追跡編

今日は久しぶりですが、魔法科高校の劣等生、27巻、28巻の「追跡編」。

前回の急転編で水波ちゃんが拉致されてしまったので、それを追いかけるストーリー。九島光宜はパラサイトになって病弱属性から開放されましたが、思考パターンが達也に比べると弱気というか情緒的、いやこれは達也が非情緒的というべきでしょうか。

本編では光井ほのかまで拉致されてしまいますが、こちらはSMATとエリカ達が救出に成功します。バトルシーンで個人的にモヤッとしたのは、呂剛虎が修次と戦って敗れるシーン。

錯覚により心臓を止める、無系統魔法の秘剣。
(27巻、p.280)

なんだそろ、錯覚って何、ていうかもはや剣でないのでは。死を覚悟したらその気になって死んでしまうという話は OVERLORD にもそんなシーンがありましたが。

達也が出てきたらバトルシーンは一方的で、USNA最強の暗殺部隊も3分待たずに全滅するのですが、下巻の最後の八雲師匠とのバトルシーンはほぼ互角、ハイレベル過ぎてよく分かりません。動きを知りたいので早くアニメ化してください。ちなみに今期放送中のアニメは来訪者編で、パラサイトの捕獲に苦労しているところです。ピクシーが登場してサブカル感が増したのは吉報です。

追跡編で注目しておきたいのは、達也がパラサイトを成仏させる方法を完成させたこと、達也と軍がどんどん不穏な関係になっていく流れ、等でしょうか。これらは次作「奪還編」への伏線となります。


魔法科高校の劣等生(28) 追跡編<上>
佐島 勤 著
石田 可奈 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4049125603

魔法科高校の劣等生(29) 追跡編〈下〉
ISBN: 978-4049125719

東京レイヴンズ

今日はアニメで「東京レイヴンズ」。2013年秋~2014年冬アニメ。原作はラノベで、作者はあざの耕平さん。

ジャンルは陰陽師系。そんなジャンルあったかな、あるでしょう、多分。基本的に陰陽師式神を操ってバトルという話です。バトルシーンがアップテンポで見応えがあります。

タイトルの東京というのが、東京を歩いていると確かに異世界を感じることがあります。今すれ違ったの人間じゃないよな、とか、ふと次元が変わったような揺らぎを感じるとか。それは単なる眩暈でしょうか。

ストーリーが壮大で重要人物がたくさん出てくるので全体像を掴むのが大変ですが、キャラ的には式神のコンがなかなかいい役で、かなり個人的にはお気に入りです。もう一人挙げるなら蘆屋道満。世の中をナメているような所がいいです。

 

キノの旅XXII the Beautiful World

今日は「キノの旅」の第22巻。

第一話「仮面の国」は、表情を隠すために仮面を付けて生活していたら、

彼等には、〝表情を作る〟という能力が失われていた。
(p.32)

という話。これは本当にありそうな話です。ある表情をした時に相手のリアクションでフィードバックしながら学習する、ということで表情が身に付いていくのです。

第四話「議論の国」。山火事にどう対応するか議論が錯綜。

消すか消さないか議論中だから、山火事を消せないってことでいいのかな?
(p.126)

それで被害が発生して後始末が大変という話なんですが、議論中に「消せない」といううのはおかしくないですか。「消す」が駄目なら「消さない」もダメでしょ。消さないと決まっていないのだから。

ていうか、非常事態なんだから、まず議論で決めるかどうかを議論した方がよくないですか。

第五話「届ける話」は、シズ様と陸の出会いの話です。陸はまだ子犬です。最初は吠えているだけなのが、途中から急に話せるようになります。

犬は人間の数倍の速度で歳を取ります。
(p.180)

昨日(11月28日)の「Phinloda のいつか聴いた曲」に、この話を紹介しました。Dog Year という曲に、犬は人間の7倍の速さで歳を取るという話が出てくるのです。

急に喋れるようになっても、何も不思議ではありません
(p.180)

いや、それは超不思議なんですけど。

第七話「餌の国」は、エルメスが音で猛獣を倒すシーンがあります。

人間でも、一瞬で強烈な音を聞かされると、脳がクラクラするアレ
(p.278)

音で火を消す消火方法があったと思います。今期のアニメ「神達に拾われた男」には音で敵をやっつける魔法が出てきます。音兵器って何となく地球にやさしい【謎】感じがします。

今日のちょっといい一言は、第三話「取り替える国」から、

人ってのは、価値を認めてくれるところに行かなければ、輝く者も輝けない
(p.98)


キノの旅XXII the Beautiful World
時雨沢 恵一 著
黒星 紅白 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4049125207

メカ・サムライ・エンパイア

今日の本は「メカ・サムライ・エンパイア」。先日紹介した「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」の続編となる。

前回の評では、韓国生まれの米国人の作者に対して、日本が舞台のストーリーが書けるのかという疑問を呈したのだが、本編のあとがきには、さらに、影響を受けた作品が具体的に紹介されている。

『マイクタイソン・パンチアウト』『新世紀エヴァンゲリオン』『はじめの一歩』『機動警察パトレイバー the Movie(1、2)』『ファンタシースター 千年紀の終りに』『仁義なき戦い』『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』『ヘルツォーク・ツヴァイ』『ヒットラーの復活 TOP SECRET』『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』『スーパーマリオブラザーズ3』『真・女神転生』シリーズと『ペルソナ』シリーズ、『バトル・ロワイアル』『野良犬』『天国と地獄』『博徒外人部隊』『零 紅い蝶』『デアデビル 第一八一巻』『ロックマン2 Dr.ワイリーの謎』『ファイナルファンタジー(VI、VII)』『天地創造』『忍者龍剣伝 (NES版』『クロノ・トリガー』『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』『高い城の男』、コードウェイナー・スミスの諸作品など。
(下、p.326)

Yes、分かった。マインドは間違いなく日本人だ。スラムの様子が妙にFF7っぽい感じがしていたのはそのせいだな。

今回は1994年から1996年頃が舞台になっている。主人公は不二本誠。メカパイロットになるのが夢だが成績が悪い。得意なのはゲームだけ。模擬戦試験で高得点を取ってBEMA(バークリー陸軍士官学校)に入学しようと企むが失敗。その後実戦で結果を出したことで入学できたのだが、とにかく大波乱だ。

もう一人のキーマン、いや、キーウーマンになるのがドイツ人のグリゼルダ。この作品は第二次世界大戦で日本・ドイツが勝つシナリオだから日本とドイツは同盟国なのだが、今のアメリカとロシアのように、要するに勝ったら勝ったで勝った国同士が主導権争いをしていて、現場ではいざこざも多発しているのだ。日独が敵対している中で誠とグリゼリダは仲が良いので、お互い母国から裏切り者呼ばわりされてエラいことになる。

そして本作品にも最強のパイロット、久地樂が出てきて活躍する。アニメだと最強パイロットはイケメンという暗黙の了解があるのだが、どうもこのキャラは違う。むしろ秋葉で典型的なオタクをやってそうな感じだ。でも強いのだ。

さて、今回のテーマは友情物語。でいいのかな。大人の社会の汚さとかドロドロ感の描写もスゴいが、最後はいい奴が残ってそれなりにホッとするオチになっている。

ところで、こんな記述がある。

空中庭園は古代の偉大な建築物だが、現代では実在が疑われている。歴史とはそういうものだ。人は忘れやすい。過去を異なる形で話しはじめてしばらくすると、それが真実としてあつかわれるようになる。
(下、p.112)

ここだけは言っておきたいが、それは韓国の歴史観だ。日本は違う。日本では真実はあくまで真実でなければならないのだ。作者にはそのことは一生理解できないような気がする。

本作から印象に残った一言。

失うものがないから戦えるのよ
(下、p.213)

リゼルダの言葉。しかし、守るものがなくても戦えるのかな。


メカ・サムライ・エンパイア 上
ピーター・トライアス
John Liberto イラスト
中原 尚哉 翻訳
ハヤカワ文庫SF
ISBN: 978-4150121792

メカ・サムライ・エンパイア 下
ISBN: 978-4150121808

歌舞伎町シャーロック

今日はアニメで「歌舞伎町シャーロック」。2019年秋~2020年冬アニメ。dアニメで今年末まで限定で配信中です。

舞台は実在の新宿がモデルの架空都市、新宿區歌舞伎町。東西が壁で分断されていて、ウエストがハイソ、イーストがスラムとまでは行かないが庶民の街という設定になっています。子供の掏摸って実在しないですよね?

東西を通る時は検問を通る必要がありますが、抜け道もあったりします。リアル新宿は最近通路が増えて東西の行き来が便利になりました。コロナのせいで雰囲気が怪しいですけどね。

主人公はホームズとワトソン。後半で猛烈な存在感を出していくのが高校生探偵のモリアーティ。切り裂きジャック事件で犯人を殺してしまうあたりからの二転三転ぶりが凄いです。ただ、現実的にはそんなにうまく催眠術をかけられるのかな、という所が気になります。いろんなトリックにリアリティがあるので残念です。

その他大勢の探偵達もそれぞれ超個性的なキャラでなかなか楽しい作品です。

ぼくらの

今日はアニメで「ぼくらの」。原作のマンガの作者は鬼頭莫宏さん。2007年の春・夏アニメです。

中学一年生の少年少女達がゲームをしようと騙されてロボットのパイロット役をさせられてしまいます。ロボットはゲームではなく現実世界で戦います。当然、大勢が巻き添えで死にます。しかも、ロボットはパイロットの生命力で動くため、戦闘が終わった時点で、パイロットは死んでしまうのです。しかし、戦闘を拒否して負けてしまうと、地球そのものが消滅します。

どっちにしろ死ぬという危機的状況で、少年少女がどのような決断をするのか、その心理を描いた作品です。キャラの環境がそれぞれ危うい要素を抱えていて、その上で重大な役目まで背負わされてしまうという、どうしようもない暗い話です。暗いといえば「最終兵器彼女」の暗さに匹敵します。

子供達の真摯な行動に比べて際立っているのが、大人のドロドロした対応なのですが、ちょっとそこが非現実的というか、あまりにも私利私欲、自分の都合に走り過ぎているような印象があります。

誘導役のコエムシにも何となく違和感がありました。魔法少女に出てくる動物キャラ的な立ち位置なのだと思いますが、デザインが不気味なのは説得力があります。ジアースプログラムに至っては唐突感しかありません。アンインストールできない、というのは面白い構造です。

 

 

オオカミ少女と黒王子

昨日ちょこっとネタに使ったので、今日はアニメで「オオカミ少女と黒王子」。原作は少女マンガで、作者は八田鮎子さん。

トラディショナルな感じのラブコメです。オオカミ少女の篠原エリカと黒王子の佐田恭也のラブストーリーです。オオカミというのは、エリカが佐田の恋人だとウソをついてしまうので。このウソを佐田が承諾して恋人のフリをしてくれるのですが、条件がオレの犬になる、というトンデモないもので、それで黒王子。

途中に出てくるキャラがプレイボーイの神谷望で、大勢と付き合うが恋人にはならない、というポリシーなんですが、エリカと佐田に影響されて本気の相手を作る方向に趣旨替えするのです。

ぼっちになりたくないというだけの理由でつるんでいる、マリンと愛姫のビッチコンビが、最初のうちは良くない印象しかないのですが、見ているうちに懸命さとか伝わってきて、頑張っているんだなという好感も出てくるから不思議なものです。しかしリアルの世界もそういう感じなんですかね、JK。

黒王子が実はいい奴、というのも少女マンガの王道でわかりやすいです。