Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

マイ・アントニーア

今日の本は「マイ・アントニーア」。

先日紹介した「エコー・メイカー」の登場人物が読んでいた本です。私は読んだことがなかったので、何となく読んでみました。なるほど、といった感じです。

ざっくり紹介すると、アメリカに移住した移民の話です。原作が発表されたのは1918年。古典と言ってもいいでしょうか。

ストーリーは主人公のジム・バーデンの視点から描かれています。いろんな個性的な人が登場しますが、その中でもメインになるのがボヘミアから移ってきたアントニーア。物語の始まりでは14歳。終盤では子だくさんの母親です。貧しい生活の描写は迫力があります。

何もないところを開拓していくという、アメリカらしい作品ですが、日本人的にはそこにちょっとイメージし辛いところがあるかもしれません。

今日の一言は、アントニーアの言葉から。

あたしの父さんのことを見てごらんなさい。死んで随分になるのに、大抵の人より実在しているように思えるの。あたしの人生から消えることはないわ。
(p.259)

 

マイ・アントニー
ウィラ・キャザー 著
佐藤 宏子 翻訳
みすず書房
ISBN: 978-4622086093