Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

NHK子ども科学電話相談 ものの見かたが変わる 10歳からのQ&A

今日の本は「NHK子ども科学電話相談 ものの見かたが変わる 10歳からのQ&A」。電話というのが、今の時代としてはちょっとひっかかりますが…

子供が読むことを想定した内容です。とんでもない難問が出てきますが、子供に分かるように答えるのが難しいだけでなく、正解のない質問に対して、先入観を与えないように答えるという点でも苦労しているようです。

私のようなひねくれた人間だとNHK編という時点で既に疑うモードになってしまいますが、本に「こうだ」と書いてあったら、それを読んだ子供は信用してしまうでしょう。それを狙って書いたりしたらトンデモないことになりかねません。

まあ固い話はおいといて、気になったネタをいくつか。性格は遺伝と環境に影響を受けるという話が出てくるのですが、

どうやら環境の影響は、「性格を似せないようにする」という方向に働くらしい
(p.053)

これは意外ですね。兄弟は同じ環境で育っても性格が違うということになります。確かにそうかも。複数で分担することによって対応範囲を広げる、という狙いなのでしょうか。

次の質問は、大学入試カテゴリでもよく見かけます。

自信がなくて、いろいろな挑戦をすることに不安がある。どうしたらいい?
(p.088)

高3にもなってまだ自信が持てないのでどうしよう、なわけですから 10代前半の子供はもっと困っていそうです。いや、逆に困らないのかな。

この質問に対して、成功するために挑戦する「成功報酬動機」と失敗をさけようとして挑戦する「失敗回避動機」があることを説明した上で、

失敗をさけたい気持ちが強い人におすすめなのが、「スモールステップ」(小さな目標)を積み重ねていく方法です。
(p.092)

1か月で120個よりも、1日4個の方が毎日クリアしていける、みたいなやり方は確かに有効的ですね。しかしこれで子供は納得するのでしょうか。何かモヤっとします。

今日の一言はこんな感じで。

世の中のすべては、学びにつながっているのです。
(p.076)


NHK子ども科学電話相談 ものの見かたが変わる 10歳からのQ&A
NHK「子ども科学電話相談」制作班 編集
NHK出版
ISBN: 978-4140819203