今日の本は凪良ゆうさんの「流浪の月」。
冤罪的な話です。いろいろアブノーマルな設定が出てくるのにナチュラルな感じがするから不思議です。 出てくる人が皆病的で、そこが逆にリアルな感じ。
やっていないのにやったと誤解されるというプロットは、以前紹介したコミック「娘の友達」の評中で、この小説に似ていると書きましたが、こちらの方が奥が深いです。
特にこれ、
大人にならない子なんていないもん
(p.48)
この一言が後で出てくるのですが、
子供の無邪気さで、わたしはずいぶん残酷なことを言った。
(p.113)
続いて理由が書いてある。その時はなるほどと思うわけですが、最後の最後まで読んだら何というか、結構派手にやられた感がしますね。
とりあえずコレを書いて今回は終わりにしておきます。
事実と真実の間には、月と地球ほどの隔たりがある。その距離を言葉で埋められる気がしない。
(p.281)
真実なんて実はないのでは、という気がしてくる一冊です。
流浪の月
凪良 ゆう 著
創元文芸文庫 LA な 1-1
ISBN: 978-4488803018