Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

新装版 日本人を考える 司馬遼太郎対談集 (4)

今日も司馬遼太郎さんの「日本人を考える」から。まず、梅原猛さんとの対談で、「西洋が東洋に学ぶ時代」。禅に関する話が出てくる。

どう考えてみても禅というのは天才のための道だと思うんです。
(p.71、司馬)

仏教といえば南無阿弥陀仏で誰でも救われるみたいなイメージはないだろうか。天才しか分からないような宗教というのは目から鱗が落ちる感じ。

禅宗に多少関係したことのある友人の作家に、禅をやって悟るのは十万人に一人ぐらいじゃないかと聞いてみたら、いやそれより少ないんじゃないかといってましたが(笑)、

(p.72、司馬)

個人的には20代のときに禅の本にハマっていて、公案とか自力でいろいろ考えていて、ある日ハッとひらめいたことがあって、大悟したわけではないが、何か悟ったとうか、違う世界に転移したような感覚を覚えている。この瞬間はとても感動的だ。

個人的には禅というのは天才かどうかじゃなくて、きっかけとか環境とか、属性とか、条件が偶然揃うことの確率の問題ではないかと思う。

もう一回分紹介したい。向坊隆さんとの対談。タイトルは「日本の繁栄を脅かすもの」。

日本の歴史というのはある意味では縄文式のころから、飢えるかもしれないという恐怖心の歴史です。
(pp.99-100、司馬)

対談があったのは1970年。約50年前はそんな感じからやっと脱却したかな、というところだろうか。最近の日本は食料自給率が低い割に、あまりその種の心配をしていないのが心配だ。

ソ連がいまやっている自然改造計画が進行すると、アメリカが砂漠になる
(p.114、司馬)

イギリスのラムという気候学者の話らしい。とりあえずまだ砂漠になっていないようだが、どのように改造するつもりだったのか気になる。

(つづく)


新装版 日本人を考える 司馬遼太郎対談集
司馬 遼太郎 著
文春文庫
ISBN: 978-4167901257