Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

UTFR合格体験記Ⅵ

いやこれ毎日紹介は無理でしょ。本だけ読んで生活しているわけじゃないんだし。調子に乗って礼記とか読みだしましたが、こんな本でしたっけ、みたいな。

生有益於人、死不害於人
(礼記、上、新訳漢文大系、明治書院、p.125)

死して屍拾う者無し【謎】、というのを思い出します。

こんな本を読んでたら時間がなくなりますが、といいつつ今日の本は「非進学校の東大生による、孤独に東大を目指す受験生のための合格体験記Ⅵ」から。

前例が無いということは自分が記録を作れるということ
(p.17)

UTFRというのは殆ど東大に合格者が出ないような高校から来た人のグループです。この人の場合、中高一貫の学校に高校から入っようのですが、高校入学で東大合格した生徒が過去に一人もいなかったそうです。それを「ここからでは無理」じゃなくて「ここから成功したら最初の成功者になれる」というポジティブな考え方をした所が勝因ということ。

そういえば「ちはやふる」には、日本で一番なら世界一、みたいな話が出てきたような。

Ⅵで面白かったのは「大失敗して合格してしまった男の話」。体験記には本名らしき名前も出ていますが、本文中に「どーなつ(仮名)」と出てくるので、どーなつさんと呼ばせていただきます。何で仮名を書いているのに本名も出ているのか謎なんですが。

どーなつさんは結局本番でやらかしてしまうのですが、注目したいのは入試が終わった日に飛行機が欠航になって東京でもう一泊した時。

何がダメだったかをひたすら自問自答して、
(p.45)

これが出来ない人が圧倒的に多いはずです。失敗したときに原因を追求して改善しようとする、これができる人なら未来は明るいと思うのです。プログラマーには向いています。

Yahoo!知恵袋には、失敗しました系の質問が多数あります。そのような質問に対して私は、次のように回答します。

「なぜ失敗したのですか? 原因を把握して対策しないと、あなたは次も同じ失敗をします。」

ただ、この人は結局、

どれだけ考えても時間が足りなかったもしくは本番中の立ち回りに対する反省しか出てこなかった。
(p.45)

時間が足りないというのはもっと速く解けるようにすべきだったという意味でしょうか。立ち回りというのは一般的には解ける問題から解く、解けないのは捨てる、のような話だと思います。

本番の途中で採点してはいけません。後の試験に影響するからです。どーなつさんは、それをやってしまったようです。この種のノウハウは進学校では常識でも非進学校では教えてくれる人がいなかったのかもしれません。

今日はコレを注目した一言として終わっておきます。

選択するということは何かを諦めるということです。
(p.50)


UTFR合格体験記Ⅵ
令和4年5月14日発行