今日紹介する本は浦久俊彦さんの「リベラルアーツ」。
ざっくり言えば、リベラルアーツについて書いてある本ですが、いやそれは当たり前か。要するに何を言ってるかというと、
古典を読め。
これに尽きます。温故知新です。この新書、結構真剣に読んだのですが、そう思いました。
ただ、著者の浦久さんはAIについて、ちょっと誤解しているような気がするのですが、それは何となく分かります。AIは、古典に出てこないからです。
細かいところで気になる点はいくつかあります。
日本映画界の悲願だったアメリカアカデミー賞作品賞に韓国映画が選ばれる
(pp.34-35)
この韓国映画というのは、2019年に外国語映画賞を受賞した「パラサイト 半地下の家族」のことだと思います。
悲願とかいわれると日本の映画が選ばれていないかのような錯覚をしそうですが、日本の映画としては、外国語映画賞は2008年に「おくりびと」が選ばれています。2021年には「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞を受賞しています。
「少なくとも人は笑ひながら闘ふことはできない」。ちなみにこれは、三島由紀夫の言葉です。
(p.159)
三島らしい言葉です。そういえば最近のアニメに出てくる主人公は、割とよく笑いながら戦っています。何か面白い現象です。ピンチで笑うといえば、ヨルムンガンドに出てくるココさんとか。
「良い運気」を引き寄せる古今東西唯一の方法は「ポジティブな想念を持つ」ことに尽きる
(p.198)
それって体験を単にポジティブに解釈しているだけで、別に運がいいわけではないのでは。
みたいな感じで突っ込める個所もたくさんあるのですが、全体的にとても面白く、個人的にはオススメしたい一冊です。
この本の最後には浦久さんがオススメする本10冊が紹介されています。まだ読んでないものが多いので、これから読もうと思っています。
リベラルアーツ 「遊び」を極めて賢者になる
浦久 俊彦 著
インターナショナル新書
ISBN: 978-4797681000