Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

UTFR合格体験記Ⅴ

今日はさらに昨日に続いて「非進学校出身東大生による、孤独に東大を目指す受験生のための 合格体験記Ⅴ」を紹介します。

この本を発行している UTFRは、その高校から東大に合格した学生が1人、というような状況で受験勉強をしてきた人の集団です。そのような高校では、何十人も合格者を出すトップ進学校のような合格実績を踏まえた教育指導ができません。そこで生徒は試行錯誤、模索して自分で作戦を考えることになります。そこをメリットだと考える発想が出てきます。

この「自分で考えなければならない環境」が非進学校の最大のメリットです。「なぜこれが解答に必要なのか」を考え続けた蓄積は東大入試が受験生に求めるものをかき集めたものとなります。
(p.49)

Yahoo!知恵袋の大学受験カテゴリには、東大に行きたいという質問が結構多数投稿されています。どこまで本気なのか分かりませんが、そんな所で質問して期待しているような回答が見つかるのかというのは若干微妙ですが。

東大に合格するためにはどのような勉強をしたらいいか、という質問に対して、私は「自分で考えろ」と回答することがあります。回答放棄しているのではなく、つまり、自分で考えるというのが必要な勉強だと言っているのですが、そこに気付かないようでは目標に届かないはずです。ドラゴン桜にも「考えろ」という感じのセリフが出てきたと思います。

もう一つ東大受験あるあるなのは、目標をどこに置くかです。

高3秋以降の過去問演習でいつも考えていたのが「いかにして合格最低点を上回るか」です。
(p.30)

勉強法の本にもよく出てきますが、狙うのは合格最低点以上を取ることであって、満点を狙うことでも完璧にすることでもありません。それも、苦手な科目があったら他の科目で補填するとか、自分のできる最低のコストで最高の得点を取る、といった工夫をしないと厳しいようです。そこで出てくる勉強法が、まず問題を解くというもの。

二次対策のアウトプットこそが一番インプットに効果があります。
(p.21)

問題を解いて分からないところを分かるようにする、というのは定番の裏技です。よくある勉強法は、まず教科書や参考書でインプットして、それから問題を解く、という順序なのですが、まず問題を解いて、分からないことは理解する、覚える、という逆転の発想はいろんな本によく出てきます。

これは面白いと思ったのは、

「2/25と2/26に頭がよければ良い」
(p.41)

受験当日に合格点が取れればいいのであって、模試や過去問の得点はどうでもいい、みたいな話です。当たり前といえば当たり前なのですが。

今回は最後にこの一言を。やる気が出ない時の Tips だそうです。

まずは寝る
(p.37)


UTFR合格体験記Ⅴ
令和4年5月14日発行