今日の本は「狼と香辛料XXI Spring LogIV」。
5つの短編が入っています。
まず、1つ目の「狼と湯屋の向こう」に出てくる、湯屋「狼と香辛料亭」で働いているセリムの独白。
仕事を失敗してしまっても、優しい主人は怒り狂うどころか、なぜ失敗したかの原因を突き止めて、改善さえしてくれた。
(p.14)
労働環境としてはなかなか優秀なようです。
利益を最大にするために問題の原因を分析して改善するのは当然なのですが。従業員が問題を理解して行動を変えるのと、怒られるのが嫌なので行動を変えるのとでは、新たな問題が発生したときの対応力が違います。この主人というのはロレンスのことですが、ロレンスも旅をしていた頃に比べれば丸くなったものです。
3つ目の作品、「狼と森の色」は、森の木を伐採して売っていいかという話。木の需要が高まっている今なら高く売れるのだが、伐採すれば森には悪影響があるのではないか。ということで悩みます。
木を伐り倒せば空気の流れが変わり、水の流れが変わり、植生が変われば、鳥や蜂の棲家も変わるだろう。
(p.146)
日本のような急流が多いところだと、洪水の原因になって大災害になったりしますね。
今日の一言はホロの言葉。
「美味い物を食べることに勝る喜びなどありんせん」
(p.74)
本質を突いていますね。
狼と香辛料XXI Spring LogIV
支倉 凍砂 著
文倉 十 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4049122008