Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

ようこそ実力至上主義の教室へ8

今日は「ようこそ実力至上主義の教室へ8」です。

今回は混合合宿、林間学校みたいなものです。混合というのは学年・クラスを越えた混合チームで競うというところです。高円寺が相変わらず我が道を行くというのが面白いです。イノシシ追いかけるって何なんですかね。

合宿で学ぶ項目なんですけど、

『道徳』『精神鍛錬』『規律』『主体性』
(p.24)

何をするかこれではよく分かりません。座禅を組んで作務をするとか。

ストーリーはおいといて、気になったところをいくつか。

社会の前では無個性でいろ、ということではない。個性を出すのは自由だが、社会に出るからには相手を思いやる気持ちを絶対に忘れてはならない、ということだ。
(p.115)

思いやるというのは微妙な表現です。相手が何をしたいのか自分勝手に想像してそれに基づいて行動する、というのがその正体かもしれません。他人の考えていることなど、分かるわけありません。自分の行動パターンを相手に当てはめるしかないのです。

十牛図
(p.116)

これ昔、ハマりました。牛にしたのは十牛図ができた当時の時代背景としては当然かもしれませんが、今は牛を飼う家が少ないし、当時のような飼い方でもなさそうなので、殆どの人にとってはピンと来ないのではないかと思います。十猫図【謎】の方が分かりやすいかも。

休憩中に親睦を深めるためにトランプ勝負というシーンがあります。何も賭けないのは面白くないので食事当番を賭ける、という流れになるのですが、生徒会長の南雲はイカサマを仕込みます。

開封から開けたトランプだが、南雲は最初にディーラー役を務めた際に、ジョーカーへとマーキングしたのだろう、細工が施されてあった。
(p.150)

かぐや様は告らせたい」にも書記のイカサマが炸裂するシーンが出てきますが、最近の高校生のカードゲームではイカサマが普通に行われているのでしょうか。

今日の一言は、

頑張った人間が成功報酬を得る。それは社会では当たり前のことだ。
(p.39)

実世界はそう単純ではないですけどね。


ようこそ実力至上主義の教室へ8
衣笠彰梧
トモセ シュンサク イラスト
MF文庫J
ISBN: 978-4040698618