Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

ようこそ実力至上主義の教室へ

今日の本はラノベで、「ようこそ実力至上主義の教室へ」。アニメは昨年紹介しています。とはいえ殆ど何も紹介していませんが(笑)。

ざっくり背景世界を紹介しておくと、外の世界と隔離された高校で3年間生活して、最下位のクラス、D組から下剋上していく、というストーリーです。主人公は男子の綾小路と女子の堀北、でいいのかな。アニメを先に観たのですが、ラノベの方は綾小路の描写がやや軟弱・チャラい感じがして意外でした。

1年2年と鍛錬を積めば、誰にでも可能性はあるわ
(p.73)

高校から運動部に入っても補欠だからやる気がしない、という綾小路に堀北の言ったセリフです。これに対して綾小路は鍛錬は嫌だといいます(笑)。

結局自己中な人間は、カラオケで歌うのは楽しい=全員好きなはず、という短絡的で愚かな思考をしている。世の中には歌うことが心底嫌いな奴もいることを理解していない。
(p.139)

こんな感じで、まあ筋は通っていますが、ちょっとひねくれた感じです。てな感じですが、D組はいきなり失ったポイントを何とか復活させて上位との差を詰めたい。とはいっても、

一度開いてしまった点差を詰めるのは、時間制限のある競争の中では非常に難しい。
(p.180)

点差が開いたということは相手の方がスピードがあるということなので、そう簡単には追いつけません。

第1巻は中間テストの赤点回避がメインイベントです。赤点を取りそうな生徒に何とか勉強を教えて回避しようとしますが、全然ノッて来ません。出てくる勉強法はなかなか興味深いです。堀北の提案したのは、授業中は

先生の声、黒板に書きだされる文字だけに集中すること
(p.257)

つまりノートを取るなというのですが。

書きながら問題や答えを覚えるのは案外難しい
(p.257)

確かに。これは東大受験生がやっている勉強法ですね。ノートは授業が終わってから書き始めるそうです。それにより、授業中に覚えたことを定着させる効果があります。殆どの生徒はノートを取っているので、もし覚えてなければ、他の生徒に見せてもらえばいい。

今回の作戦は、過去問ゲット。

「一昨年の一学期、中間テストの問題を持ってませんか? もし先輩、あるいは先輩のクラスメイトの中に過去問を持っている人が居るなら、それを譲ってもらいたいんです」
(p.285)

元東大王レギュラーの光ちゃんも、定期テスト対策はまず過去問と言ってます。傾向と対策は基本なのです。


ようこそ実力至上主義の教室へ
衣笠彰梧
トモセ シュンサク イラスト
MF文庫J
ISBN: 978-4040676579