Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

1/2の騎士

今日の本は初野晴さんの「1/2の騎士」。

主人公は女子高生、マドカ。レズです。この主人公が少女だと思って恋した相手が何と男でした。女装が好きな少年、しかも幽霊、名前はサファイヤ。名前はリボンの騎士から取ったらしい。

ぼくの見る夢は秘密だよ、だれにもいわない秘密だよ!
(p.62)

アニメ「リボンの騎士」の主題歌の替え歌です。何故かこの時代のネタがちらほら出てくるようです。

この2人(?)がやくざを味方につけて難事件を解決していく、というミステリーです。ミステリーといっても読者が謎解きするタイプではなく、サスペンス系かな。テンポがよいのでサクサクと読めます。サファイヤはいろんなことを知っているのですが、何でそんなに知っているかと尋ねると、本を読んだからといいます。

「わたしだって本は読むわ」
〈量が違うよ。
(p.605)

多読家で何でも知っている人というと、元東大王の水上さんや、「いまでしょ!」の林先生のイメージですが。2万冊とか3万冊読めば何かが見えてくるのか。人間は最大でどの程度の冊数読めるのでしょうか。100年間毎日1冊ずつ本を読んでも、たった36525冊しか読めないのです。

例によってストーリーの感想とかは全部割愛して、気になったセリフとかを。

授業の内容は上から下にただ書きまとめればいいってもんじゃないのよ。
(p.285)

黒板をそのまま書き写すのは写経と言われています。

「一騎打ち GrayMan」の章には、失踪者の話が出てきます。

それらの失踪者は全国で年間十万人を超えます。
(p.590)

それらというのは事件性のない(あるかどうか分からない)行方不明の人ということですが、個人的にはもう少しいそうな気もするんですけどね。最近は監視カメラも増えたしスマホとか使ったら位置がバレてしまうので失踪しにくくなりましたか。

で、最後に一言。

小数派(マイノリティ)はお互いに引き寄せられ、潰し合う運命にあるんだ。
(p.210)

そういえばもうすぐ選挙ですね。


1/2の騎士
初野 晴 著
講談社文庫
ISBN: 978-4062765657